いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

2016年3月のブログ記事

  • 合流する魂の河

    そうだよね……言われてみれば。 最近自分も、ずっといー君のことで頭がいっぱいにならなくなった。 僕たち家族も、少しづつ日常を取り戻しつつある。 やらなきゃいけないこと。乗り越えなきゃ前に進めないこと。 僕たちの中で止まっていた4か月の時間は、あまりにも長かった。 忘れたわけじゃない。愛さなくなった... 続きをみる

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  • 動き出す……新しい形

    ここ最近、少しずつ家族のみんなが立ち直ってきた。 ちょっとした笑いが起きるようになった。 笑いに包まれる時間も増えてきた。 ……みんな、いー君の死を忘れたわけじゃない。 みんなそれぞれに、彼の死を解釈して飲み込んで……新しい未来に歩き始めているんだと思うんだ。 いー君は、家族がみんなでいるリビング... 続きをみる

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  • 君が好きだったあの場所へ

    明日は一日フリーになったから、早起きできれば、いー君が生前好きだったカラオケボックスに連れて行ってやろうと思うんだ。 英語の歌が得意で、いつもどや顔で歌っていたいー君。 いまは彼はマイクを握れないけれど…… でも、カラオケで彼が好きだった歌を流してやるんだ。 いつも3時間パックの終了時間を気にして... 続きをみる

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  • 君の横顔

    ここ数日、ずっと寝込んでしまっている。 1日で立って動けるのは、6時間あればいい方。 ずっと眠りに就いているから、沢山の夢を見る。 リビングのいつもの座イスに座っているいー君がいた。 なんか、こちらを見ずにずっと憮然とした表情で、リビングのテレビを見ていた。 やっと逢えたのに、僕の言葉には一切答え... 続きをみる

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  • 君が思い出になる前に……

    もう歌手名も忘れたけど、運転中、信号待ちの右側のレーンからスピッツの『君が思い出になる前に』……が大音量で流れてくる。 車の窓を全開にして、大音量で……マナーが悪いドライバーだなと並行しつつも、なんかいろんなことを思い出して、涙が自然とこぼれてきた。 この曲……僕が昔乗っていた車でよく流していたん... 続きをみる

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  • 立ち上がることが苦しくて

    ここ数日、熱を出して伏せっている。 ずっとへんな時間に目覚めては、再び眠りに落ち…… そして目覚めてすぐ忘れてしまうような夢を見る。 どんなに長く眠っても、全然いー君に会うことはできない。 自分の心を奮い立たせて、前向きなことを言ってみても…… 子供を事故でもなく、自分の力不足で失った事実は永遠に... 続きをみる

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  • 冷蔵庫の一角を占めるもの

    今日になって気付いたことがある。 冷蔵庫の一角にまったく減ることのないものが存在している。 缶のチューハイだ。 僕は下戸だからアルコールは駄目なんだけど、嫁は仕事から帰ってくると、いつも嬉しそうにチューハイを飲むことが楽しみだったんだ。 でも…… 『あの日』から、一本も減ることはない。 そうなんだ... 続きをみる

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  • 自然に君はここにいるから

    今日は本当はいつもお世話になっている、京都の自死遺族会の分かち合いの日だった。 ちょっと悩んだんだけど…… 今日はいかない、という選択をしたんだ。 自分の子供の死を、まだ受け入れ飲み込み切れていないのに、ほかの人の辛い記憶を聞くことは辛いと言えば辛いんだよね。 自分の想いを吐き出せる機会を逸したこ... 続きをみる

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  • 君が紡いだ美しき短編小説

    今日も寝たきり。立ち上がることさえできない。 ASD特有の虚脱症状なのは分かっている。人並みに何か一生懸命になると精神力の燃費が悪いから、必ずこうやって魂が抜けてしまう時間が来るんだ。 時計がどんどん時を刻み、意識を失っては起きて、動かなきゃ……と思いながらまた意識を失う。 リビングのソファに飾ら... 続きをみる

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  • 届かなくて 聞こえなくて

    ここ数日、また寝た切りが続いている。 ちゃんとそばで見てくれていることは分かっているんだ。 でも、手を伸ばしたって君を抱きしめることができない。 話しかけたって、耳には直接君の言葉は届かない。 なんとか前に向かおうとする心だけが空回りして…… 元気な心身の時に比べて、数時間たっているだけで1日の体... 続きをみる

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  • 新しい家と、走り回る君

    今日ぼんやりと、いまの家に来た最初の日を思い出していた。 うちは本来新興住宅地の中に建っていた、モデルハウスだったんだ。 僕らがの家の区画だけが、狭いながらも庭がある分、縦に車を2台止めなきゃいけない変形の駐車場になっているんだ。 モデルハウスだから、他の家より玄関の証明とかがオシャレになっている... 続きをみる

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  • 参考書と窓の景色と『夢』の色紙と

    今日は嫁が、4月から中学生になる娘の必要なものを買いに行って半日不在。 リビングにいる2匹のワンコ達は、僕に降りて来いと狂想曲。 息子の部屋から持って降りるノートパソコンを借りるため、ドアを開ける。 あの日のまま止まった時間。 警察の人たちが鑑識のために撒いた薬品で、黒く汚れた絨毯。 部屋の隅にわ... 続きをみる

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  • 君のおみやげ

    いー君の小学校の時の修学旅行は、伊勢志摩だった。 いまも……僕の寝室のテレビ台の上には、いー君の伊勢志摩のお土産が置いてある。 『いつまでも元気でね お父さん お母さん』 ……と人形の入った、小さな置物。 見るたびに、胸が締め付けられる。 買ってきたときといまとでは、その意味合いは違うから。 いつ... 続きをみる

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  • 副機長を信じよう

    思えばあれから、乱れていた心が少し安定してきたかもしれない。 むかし主治医だった先生が、いい言葉を言ってたのをこの前思い出した。 人間の身体っていうのは、飛行機の機体みたいなものだ。 それを心という『パイロット』が操縦している。 機体はほとんどが、画一的だけどみんなそれぞれの機体に、『クセ』を持っ... 続きをみる

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  • やっと逢えたね!

    昨日の夜……とっても嬉しいことがあった。 夢の前後はわからないけど…… 僕たち家族全員で大笑いしているシーンだった。 (こんなに心の底から笑ったの……いつ以来だろう) とっても心が幸福感に満たされていたんだ。 楽しくて……楽しくて…… 嫁も娘も心の底から、笑っていた。 そしていー君も、心の底から笑... 続きをみる

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  • 君が通った真っ白な道を

    朝7時。 今日もいー君が乗っていた自転車に乗って、駅へと向かう。 いー君が学校へ行くために毎日通った、人気のない朝の光を浴びた真っ白な道。 辛い時もあったよね。希望に満ちあふれた日々もあったよね。 僕が君が去年の今頃感じていた、朝の光る風を同じように受けている。 本当に素直で、まっすぐな子だった。... 続きをみる

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  • お弁当ごちそうさま。

    どんな気持ちで食べたんだろうな…… お昼休み、昼食の時間。 いつもと変わらない、嫁のお弁当。 結婚してから18年。いつもと変わらないおかずの編成だ。 とりあえずローテーションでハンバーグとかいろいろ詰めてあって。 そして、余ったスペースをブロッコリーで埋め尽くす。 たぶん、いー君への高校時代のお弁... 続きをみる

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  • 振り向けばいつでも君はいて

    もう3月…… いー君がいない月日はどんどん流れていく。 あの動画を思い出して、時々見ることで…… いまは少し割り切れるようになった気もする。 振り向けば、いつも君は笑顔で手を振っていてくれる。 別に遠くに行くわけじゃない。いなくなるわけじゃない。 今日もうちのリビングは平常運転…… わんこが走りま... 続きをみる

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