いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

2015年11月のブログ記事

  • いー君との思い出~電車乗り放題……高野山と敦賀の雪~

    ときどき、僕の備忘録的にも息子との日々で思い出したことを書き留めていきたいと思う。 中学校卒業くらいだったかな……時系列はばらばらに、思い出した順に書く。 「冬の関西1DAYパス」を使って、いー君と2人でJRのエリア内電車乗り放題の旅をしたことがある。 その時息子に……「お前がパパになったら、子供... 続きをみる

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  • 長い長い……最後の夜

    お通夜が終わった。 お坊さんはもう帰られてしまった。 能登の地元の名士だった叔母の同じ浄土真宗の葬儀は、住職さんが残っていろいろ法話をしてくれたんだけど…… そこがやっぱりいろいろ、檀家じゃないとかあるんだろうな、と思った。 叔母のときは、いろんな寺院からお坊さんが6人くらい来られて一斉に読経され... 続きをみる

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  • 僕が捻じ曲げた、彼の未来

    今日……偶然、息子のスマホの中にあるGMailから、息子の遺書めいた学校の先生とのやり取りを見つけた。 これは警察の事情聴取のときも出なかったし、今更出しても仕方ないものだ。 ずっと進路に悩んでいる様子だった。 悩ましたのは……僕なんだ。 息子は、模試で英語で全国1位をとったこともあるくらい英語が... 続きをみる

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  • 仏壇……探しに行かなきゃ

    息子の死と葬儀……悪夢のようなあの時から、一週間が経とうとしている。 長いようで短い一週間だった。 ずいぶん残された僕たちも、精神的に立ち直ってきたように思う。 正直ときどき思い出しては泣きそうになってしまうんだけれども…… 彼のことを笑って話せる日が来る…… 遠くない未来、そんな日が来ると思うん... 続きをみる

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  • 多くの人に囲まれて~息子は幸せだったんだきっと~

    亡くなった息子のツイッターのアカウントから、息子が最期まで愛した女の子のアカウントを見つけた。 いろいろ複雑な思いが去来する。 残念な結果になってしまったんだけど、少なくともとんでもないレベルの幸せをくれた女の子だったんだろうと思う。 ネットで彼女と出会うことがなく、モテナイ君のままでいてくれれば... 続きをみる

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  • 涙を拭こう。前を向こう。創作を再開する!

    早いのはわかっている。 息子の死から、たった一週間で、18禁の創作を再開するのはいくらなんでも不謹慎じゃないか…… そんな誹りも批判も、甘んじて受けよう。 ここでは、僕の創作の本当のHNも、運営しているサイトもここではあえて明記はしない。 正直なところ、僕も不謹慎じゃないかっていうのはわかっている... 続きをみる

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  • 和室にお兄ちゃん~新しい生活~

    息子が亡くなってちょうど一週間がたった。 みんな明らかに無理をしてるけど……徐々に我が家は落ち着きを取り戻しつつある。 先週の悪夢を早く忘れたい。 みんなそう思って、無理に前を向いて生きようとしている。 笑い声が戻ってきた。 みんなもう思い出したくないんだ……先週の悪夢は。 正直なところ、たちの悪... 続きをみる

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  • 初めての喪主……お通夜が始まった

    夕方16時ごろ、少し遅れてセレモニーホールに妻がやってきた。 スタッフの人たちと打ち合わせを行う。 とくに挨拶とかはなく、家族葬なので焼香の順番とかお坊さんが来たら挨拶に行くとか、そんな感じ。 去年の今頃、能登の地元の名士の叔母の葬儀では、大々的に市会議員が葬儀に参列したり、大規模な改装のビデオ上... 続きをみる

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  • 僕は敢えて刻み続ける、ささやかな物語を

    昨日……ちょっとしたトラブルがあった。 娘が、亡くなった息子のスマホを一日中手放さずにいる。 いまは携帯の契約を解除しても、Wi-fiがあれば、何でもできるらしい。 もちろん彼がやっていたツイッターも見ることができる。 彼は僕のことをフォローしていたらしく、僕のつぶやきも見ることができるらしかった... 続きをみる

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  • 看板と祭壇と……そして特製の棺と

    息子の亡骸が家から運び出され、セレモニーホールについていた。 僕が母親を連れて到着すると、豪華な通夜と告別式を告げる看板が式場の前に建てられていた。 息子の名前が書かれた看板を見て、現実に引き戻される。 まさかこんな看板を目にする日が来るとは…… 祭壇は家族葬用の小じんまりしたものであったが、それ... 続きをみる

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  • 息子を叱る資格はない、最初に棄てたのは僕だ

    いー君は、ほぼ死産の状態から奇跡的に回復し、17年を生きた。 そして棄てた。 僕たちを、友人や恋人を……そして、未来を。 だけど、僕は彼を叱ることはできないんだ。最初に棄てたのは僕だから。 僕が統合失調症を発症したのが、皮肉にも息子が生まれる前後だった。 付き合って半年で、まだ20歳の嫁と結婚した... 続きをみる

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  • あの子からの電話と、妻を支えられない僕

    嫁のつんざくような悲鳴と、錯乱した喚き声が階下から聞こえたのは、息子がセレモニーホールへと出立する数時間前のことだった。 信じたくことが起こったんだ。 息子の彼女からの……息子をが最後まで想い続けた彼女からの電話が、息子のスマホにかかってきた。 電話をとった嫁は、狂わんばかりにわめき、泣き叫んだ。... 続きをみる

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  • 僕と妻と娘と犬たちと、そして亡骸と

    息子が帰ってきた。冷たくなって。 死んだときの表情と違い、すごく柔和になっていた。 検死のあと、表情を整えてくれたのだろう。 なんか微笑んでいるような……何かをやりきった満足感のような…… その表情だけが僕たちの救いだった。 娘が息子の亡骸にしがみつき、泣いていた。 どう声をかけていいのか……自分... 続きをみる

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  • ゆっくりと僕たちは歩き始める

    息子の告別式が終わり、荼毘にふされてから1日が過ぎようとしている。 獏たちは、また別の機会にお話しするけど、息子の死に対してある解釈を下した。 逃げたのでも何でもない……彼は彼の仕事をきっちりやり遂げたのだ、と。 だから、いま僕の……残された僕たちの家庭に、少しずつ笑顔が戻り始めている。 泣いてい... 続きをみる

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  • 僕のことを語ってみる

    僕は結局駄目な父親だった。 自分が歩んできた苦しい道を、彼に歩ませまいとしたことが、文字通り仇となり、彼の死を早める結果になったのかもしれない。 僕は手帳持ちの障害者……俗に言う、発達障害ってやつだ。 知能指数は人類トップクラスのものを持っているらしい……が、人間関係も、仕事の要領もチンパンジー以... 続きをみる

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  • 帰ってこない「おかえりなさい」

    息子を警察で検死して、遺体を返してくれるのは、死んだ翌日の昼過ぎということだった。 午前中、どう過ごしていたか…… 何をしていたっけなぁ。 葬式の準備とか、いろいろバタバタしてたような気がする。 とにかく夫婦ともに、じっとしていたら気が狂いそうだったから。 僕と妻、両家の両親が健在なのも、皮肉な話... 続きをみる

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  • いー君は嵐の夜に

    ここで、逝った息子、いー君の生まれた日のことを書いておく。 いー君は、1999年10月17日……台風が直撃して交通機関がマヒした日のことだ。 よりによって、最悪の出産となった。 急性胎盤剥離……大量出血で妻が病院に運ばれ緊急手術となった。 ……が交通機関は麻痺、遅い時間。手術をうまくできる人はいな... 続きをみる

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  • 終わりの始まり~悪夢の瞬間②~

    警察の事情聴取。 息子の亡骸が、警察署へと運ばれていく。 僕は、茫然自失のまま刑事さんの問いに、夢遊病者のまま答えていた。 お兄ちゃん……死んだよ。 11歳の娘が、泣き崩れた。当たり前だ。とってもお兄ちゃんにかわいがられ、仲良しの妹だ。 ウソだろ……夢だろ、これ。 でも……悪夢は醒めてはくれなかっ... 続きをみる

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  • 終わりの始まり~悪夢の瞬間①~

    2015年11月20日 18時…… すべてはここから始まった。 おかしいと思った、何をしているのか……と。 息子の部屋のドアに、スポーツバックが引っ掛かっていた。 奇妙なことをしてるなぁ、と思いつつ、帰宅して疲れていたのでそのまま仮眠をとっていた。 「いおり、いおりいいいいいいいいいいいいいっ!」... 続きをみる

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