いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

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    突然思い立って、本棚の整理をしていた。 もう一生読まないような本や、むかしのゲームの攻略本…… 今度ブックオフにでも売るかな。 本を重ねてまとめて行く。 ふとビニールにくるまれた写真の束が出てきた。 息子の幼稚園時代の運動会の写真だ。 小さな体を精いっぱい伸ばし、組み体... 続きをみる

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  • 弱くなれる場所

    メンタルは若干回復してきた。 玄関に大きく飾ってある、息子の笑顔のピース写真…… 見るたびに心が安らぐのと同時に、心が締め付けられる。 心の沈みに反して、創作活動の方は順調だ。 中華方面で自分の作品群がさらされたのか、中国語圏を中心にフォロワーさんが爆発的に増え、ブログ... 続きをみる

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  • 潰えた沢山の名前と沢山の物語

    昨日は自死者の合同法要に行っていた。 去年と同じく素晴らしい法要だった。 自死に向き合う関西僧侶の会の皆様には、本当に感謝したい。 もちろんのこと……息子に会えるのでは、と思ったけどやっぱり霊感もないしダメだった。 でも、法要開始時に、消えるはずの無い電燈が一瞬消えたり... 続きをみる

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    いよいよ来週が一周忌だ。 あの悪夢からもう一年になる。 人間残酷なもんで、あれだけの慟哭と苦悶の出来ごとが、1年たてばある程度は冷静に受け止められるようになっている。 家族もまた、日常を取り戻している。 明らかに一人欠けているのに……みんなまるで何事もなかったかのように... 続きをみる

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  • 娘の夢~きっとかないますように~

    いま、嫁に娘が本を借りてきた事を起こして聞いたんだ。 嫁にいろいろ話を聞いた。 娘はカウンセラーになりたいという夢を持ったそうだ。 素晴らしいことだと思う。 二度と……お兄ちゃんのような、悲しい最期を迎える人が出ないように。 一人でも多くの人を救えるように。 ちょっと僕... 続きをみる

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  • 理由を求めて

    娘が、学校から1冊の本を借りてきていた。 『人はなぜ死のうとするのか』 あまり見たくはない本だ……でも、娘は娘なりに、何も自分に書き残さずに逝ったお兄ちゃんの心を知りたいのかもしれない。 もしくは、まさか自分が……いや、そんなことは考えたくも... 続きをみる

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  • やっちゃいけなかったミステイク

    最近考えることが少なくなってきたけど…… 昨日はぼんやり久しぶりに、息子はなぜ死ななければならなかったのかを考えていた。 自死するのは、その人が追い込まれると脳のスイッチが身体を殺すために入る…… とか書いてあったのをふと思い出した。 追い込... 続きをみる

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    今日はちょっとした本に出会った。 知り合いが教えてくれた青い小さな冊子。 精神科医の先生が書いた、ありがとうは魔法の言葉……みたいな薄い本だ。 ありがとう……幸せです、ありがとう…… 自己暗示をかけるかのように、何... 続きをみる

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    今日の遺族会も有意義だった。 やっぱり、こういう集まりって大事なんだ。 弱音を堂々と吐き出して、沢山の人と分かち合いが出来る場所。 自死遺族と言っても、それぞれの人が、それぞれの物語を持っている。 亡くなった人たちの歩んだ道も、多種多様なんだよね。 それぞれがそれぞれの一生という物語を、書き終えて... 続きをみる

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    娘が中学校入学。早いもんだ。 いー君の時は、さんざんもめたが……スマホを買ってやることにした。 もう正直なところ、勉強ができるとか成績が下がるとか……そんなことはどうでもいい。 生きてくれさえいてくれればいい。 堕落しようと、荒れようとも&h... 続きをみる

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    思えばあれから、乱れていた心が少し安定してきたかもしれない。 むかし主治医だった先生が、いい言葉を言ってたのをこの前思い出した。 人間の身体っていうのは、飛行機の機体みたいなものだ。 それを心という『パイロット』が操縦している。 機体はほとんどが、画一的だけどみんなそれぞれの機体に、『クセ』を持っ... 続きをみる

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  • いー君のうちゅう図鑑

    ここ数日、ずっといー君のことばかり考えている。 ああすればよかった、こうすればよかった…… ふっきれたとか言ってたけど、ありゃ嘘だ。ぜんぜん吹っ切れていない。 四六時中、ああすればよかった、こうすればよかった……そればっかり考えてしまっている... 続きをみる

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    結局嫁を説得して、月命日をやることになった。 まあ、嫁も嫁で自分なりの考えがあるんだろう。 お金がもったいないというのは建前で、お坊さんのお経を聞くと、息子の死を思い出すとか…… でも、やるべきことはやっておきたい。 妻には妻の考えがあるかもしれないけど、やっぱり僕も自... 続きをみる

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  • え?やらないの?……やらないんだ……

    いー君ごめんね。 もうすぐ月命日なんだけど、お母さん月命日お坊さん呼ばないんだって。 理由を聞いたら『お金がもったいない』なんですって。 たった3000円くらいなのにね、お布施。 その3000円がもったいないから、月命日やらないんだってさ。 ごめんね。 こんなバカな親から生まれちゃったら、そりゃ死... 続きをみる

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  • 初めての霊柩車……そして肉体とのお別れ

    正直子供のころはあこがれていたんだ。 霊柩車の中ってどうなってるんだろう。どんな感じなんだろう。 いつかは、僕も喪主で乗ることが来るのかな、長男だし……なんてことを考えていた時期があった。 それが……よりによって、自分の子供と一緒かよ。 感想... 続きをみる

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    今日仏壇が搬入になった。 奈良で一番有名な仏壇屋さんから買ったんだが、結構値引きしてくれた。 何も言わずとも親切にいろいろしてもらった。 ただ、ちょっと気になっている。 そう、位牌の行方だ。 うちは真宗西本願寺派だから、基本的に位牌というものは必要とされない。 じゃあ、いまお坊さんに書いてもらった... 続きをみる

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    息子が逝った部屋は、僕の隣室の彼の自室。 嫁はやはり、夜とか彼の部屋を通りたがらない。 いろんな想いが去来するんだろう。 息子の死体の第一発見者。 そして17年間のいろんな想い出。 そして不自然にドアに挟まった……息子が取っ手の紐で首を吊ったスポーツバッグ。 あのスポー... 続きをみる

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    お通夜が終わった。 お坊さんはもう帰られてしまった。 能登の地元の名士だった叔母の同じ浄土真宗の葬儀は、住職さんが残っていろいろ法話をしてくれたんだけど…… そこがやっぱりいろいろ、檀家じゃないとかあるんだろうな、と思った。 叔母のときは、いろんな寺院からお坊さんが6人... 続きをみる

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    今日……偶然、息子のスマホの中にあるGMailから、息子の遺書めいた学校の先生とのやり取りを見つけた。 これは警察の事情聴取のときも出なかったし、今更出しても仕方ないものだ。 ずっと進路に悩んでいる様子だった。 悩ましたのは……僕なんだ。 息... 続きをみる

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  • 僕は敢えて刻み続ける、ささやかな物語を

    昨日……ちょっとしたトラブルがあった。 娘が、亡くなった息子のスマホを一日中手放さずにいる。 いまは携帯の契約を解除しても、Wi-fiがあれば、何でもできるらしい。 もちろん彼がやっていたツイッターも見ることができる。 彼は僕のことをフォローしていたらしく、僕のつぶやき... 続きをみる

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    息子を警察で検死して、遺体を返してくれるのは、死んだ翌日の昼過ぎということだった。 午前中、どう過ごしていたか…… 何をしていたっけなぁ。 葬式の準備とか、いろいろバタバタしてたような気がする。 とにかく夫婦ともに、じっとしていたら気が狂いそうだったから。 僕と妻、両家... 続きをみる

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  • 終わりの始まり~悪夢の瞬間①~

    2015年11月20日 18時…… すべてはここから始まった。 おかしいと思った、何をしているのか……と。 息子の部屋のドアに、スポーツバックが引っ掛かっていた。 奇妙なことをしてるなぁ、と思いつつ、帰宅して疲れていたのでそのまま仮眠をとって... 続きをみる

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  • 夢の中でやっと逢えた!

    今朝見た夢は、本当に幸せな夢だった。 息子にやっと逢えたんだ。それも長い時間、濃密に。 舞台はウチの能登の実家の部屋。 まるで当たり前のように息子が生きて座っていた。 もう感無量になって抱き締めて、何度もごめんって謝った。 抱きしめて、頭をいっぱい撫でた。 温かかった。生きていた。 たくさん話をし... 続きをみる

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  • 基本的な解けない疑問を抱いて

    今日も犬の散歩で、尻尾を振って走る犬の背を追う。 追いながら、ふと何度も浮かんでは解けない問いが浮かんでくる。 なんで息子は、死を選択したのだろう。 彼女とのけんかが引き金なのは分かっている。でもそれだけじゃない。 死を選択するには……例え突発的であれ、もっと理由がある... 続きをみる

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  • 抜け殻……と思っちゃダメなんだけど

    相変わらずの低空飛行の毎日が続く。 なにも良くなったところもなくて、かといって悪くなったところもない。 死んだ子供は帰ってこないし、嘆いたってどうなるもんでもない。 ショッピングモールで見かける幸せな家族、親子連れ…… もう僕には手に入らない至福の時間。 みんな&hel... 続きをみる

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  • 釣れたね、良かったね

    いー君が行きたかった場所。 魚を釣り上げた時のうれしそうな笑顔。 釣竿を持って歩いて帰る帰り道……『パパ、また行こうね』の言葉。 あの日の約束は果たされぬまま。 でも、昨日いー君を連れて、釣り公園に行ってきたんだ。 たくさん釣れたね。 竿は2本出した。僕の分と、いー君の... 続きをみる

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  • 増えない君のレパートリー

    君が好きだったカラオケに行く。 そう、君が行く3日前も、パパ……カラオケに行きたい。君はそう言ったね。 時間が遅かったからまた今度行こうね、って言ったけど…… あの時無理して君を連れていけば、運命は変わったのかな。 悩みを打ち明けて、君の話を... 続きをみる

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  • 必要じゃなかったのかな

    遺伝子……DNA…… ふといろんなことを考える。 世の中、必要じゃないものは淘汰されていく。 物事、道具……そして生命。 必要なものだけが選別されて、世の中に残っていく。 僕は生れてはいけなかった命だ。 発生した時... 続きをみる

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  • 「ち・が・や」

    僕の誕生日のころには、毎年チガヤの花が咲く。 正確に言えば、花とは呼べないのかもしれないけど…… 銀色の穂みたいな花が、道路の隅に生える雑草として風にたなびくのだ。 『ち・が・や』……って言うねんな、お父さん! 僕は雑草に詳しいから、特徴的な... 続きをみる

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  • 歳をとるべきは僕じゃないのに

    今日……47回目の誕生日を迎えた。 時を刻むべき大切な子供が、時間の歩みを止めて…… 世の中に不要な僕が、無駄に時を刻み続けている。 もう一年半になるのか、僕の寝室の隣の息子の部屋に明かりが灯らなくなってから。 息子が歩みを止め&hellip... 続きをみる

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  • 雨が降る朝、君がいない朝

    朝5時……変な時間に目が覚めた。 最近『日にち薬』で、徐々に悲しい事を忘れつつあるのは事実だ。 でも雨音を聞くと……なぜなんだろう。 虚無感と寂寥感に心が包まれる。 息子がいない現実。 息子を救えなかった現実。 息子を大人にしてやれなかった現... 続きをみる

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  • 外れたままの線路を走る

    相変わらず脱輪したまま、時間という汽車は走り続ける。 もう幸せなんて終着駅が無いと分かっているのに、時間という汽車は走り続ける。 僕の障害、嫁の苦悩……そして娘の不登校。 なにも変わることはない。 脱輪が治ったところで、幸せという駅にはたどり着けない。 たぶん新学期が唯... 続きをみる

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  • 家族という名の壊れて止まった時計

    娘の不登校は続いている。 正直手の打ちようがない、厳しくすれば何かあったら困るし。 さりとて、このまま堕落して思い詰めればやはり…… 夫婦ともども正直手が出せない。 でも、この小さな女の子の心をえぐった大きな爪痕を考えると…… 自分も思春期に... 続きをみる

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    ちょっと息子の生前の彼女のツイッターが気になったので、のぞいてみた。 息子とのおそろいのアクセサリーの画面が、ゲームの画面に変わっていた。 分かってる…… 彼女もいつかは息子を忘れて、前を向かなきゃいけないってことを。 でもな……でもなぁ。 ... 続きをみる

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    日付が変わった。 今日は自死に向き合う関西僧侶の会の方々が開いてくれる、自死者の合同法要の日だ。 思えばもう1年になる。早かった。 思い切り泣いてこようと思う……最近自分の気持ちを吐き出す場所が無かったから。 ふと息子の事を思い出していたんだ。 彼が死に踏み切る数日前&... 続きをみる

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  • ムノウノ ラクイン

    『だから、この人は普通の人みたいに、障害で一人では何もできないんですよ!』 主治医の言葉を僕は黙って聞いていた。 復職面談のために集まった会社の人、障害者支援の人、そして呼ばれた嫁。 医者がいうんだから、それは事実なんだろう。 実際に重度の障害の僕は、何にも出来ない人間だから。 そうだよ。 そう。... 続きをみる

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    この季節…… いつもいー君が小さい時、街の山の公園に行ってドングリを拾いに行ったんだ。 夢中でコンビニ袋に、ドングリを拾っては嬉々として入れるいー君の姿。 楽しかった。 幸せだった。 こんな時間が永遠に過ぎるものだと思っていた。 公園からの帰りは、疲れた君を肩車。 君は... 続きをみる

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    ふと昔の暮らしを思い出し、胸が苦しくなった。 むかしは僕の実家で暮らしていた。 ウチの母親が、いー君をとても可愛がってくれ、お風呂の後はいつも面倒を見てくれていた。 お風呂上がりに童謡を聞きながら遊ぶ、幼きいー君。 可愛かった……本当に可愛かった。 そして何より、いー君... 続きをみる

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  • 退院、時々食中毒

    病院を退院してきて数日。 本来すぐに退院報告を描きたかったんですが、そこから数日食中毒で39度の連日の高熱地獄の日々。 やっぱりうまくはいかないもんです。 原因は10月17日のいー君の誕生日に、退院祝いも兼ねて焼き肉に行ったため。 その生肉に当たったんですよね。 入院が約一カ月。気がつけば周囲はあ... 続きをみる

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    外出許可をもらって自宅に戻ってきました。 息子のところへ行けると思ったんですが…… 力が足りないのか、運が無いのか、行くことができませんでした。 息子に会うことを許してもらえないのか…… それともまだこの世でなすべきことがあるのか。 やっぱり... 続きをみる

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    ここ数日、ちょっと厄介なことになっている。 弁護士さんが動いてくれて、現在はある準備を進めている。 会社関係者が見てるかもしれないから、詳しく書けないんだけど。 あの場所、あの時間、あの空間に僕ははっきりと見えたんだ。 半透明で部屋の隅にたたずむ君。 ものすごく悲しそうに立っていた君。 崇高な魂を... 続きをみる

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    みんなきっと心の底では、まだあきらめ切れていない。 妻も娘も…… でも、いー君がいない生活が当たり前のこととして流れ始めている。 今日は僕が留守番、妻と娘はボーリング。 僕はボウリング100点出せないボーイだから、やらない。 でもいー君は、ちょうど去年の今頃、ボーリング... 続きをみる

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    『いややぁ!……絶対嫌やぁ!』 嫁の心からの慟哭を聞いたのは、人生で一度きり…… いー君を斎場で焼くときの、あの時だけだったかもしれない。 豪華でこぎれいな斎場、曇り空、嫁のお母さんがひきつけを起こし倒れた悲鳴。 いー君のお棺に『点火します』... 続きをみる

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    台所でフォークを探していた僕の目に、懐かしいものが飛び込んできた。 「しんかんせん」のスプーン。 生前、幼稚園時代にいー君がお弁当に使っていたフォークだ。 たぶん気にしなかっただけで、ずっとフォークの棚のところにあったのだろう。 いー君がいつも大切に使っていたフォーク…&hellip... 続きをみる

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  • 歌を継ぐもの

    お世辞にも上手と言えないわめき声のような歌が、リビングから聞こえてくる。 いー君の妹の声だ。 スマホを買ってやったから、そこから動画を見てイヤホンをして一緒に歌っている。 いー君も歌が好きだった。 いつもイヤホンをして歌っていたっけ。 妹は正直近所迷惑レベルの下手さなので、なんとかしたいが&hel... 続きをみる

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  • 梅雨が明けたら釣りに行こう

    パパ、また田舎の港に釣りに行きたい…… 生前のいー君が良くいっていた言葉だ。 うちの田舎の能登半島……そこから先端へ進むと、そこは魚の宝庫だ。 関西では一日20匹釣れたら上出来なのに、人口の少ない田舎だから、港の堤防から水面を見ると、魚影で真... 続きをみる

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  • さあ、遺族会へ行こう!

    明日は遺族会だ。 多くの同じ境遇の人たちが集まり、力いっぱい泣ける日。 詳細は会の約束だから話せないけど…… 僕よりとっても辛い人たちが、沢山たくさんいるんだ。 僕は少し……いー君の現実を飲み込めたような気がする。 もうだれにも頼らずに歩いて... 続きをみる

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  • 一緒に歌おう!

    今日は当分平日はもう休めなさそうだから、フリータイムのカラオケへ。 もちろん首には、いー君の遺骨ペンダント。 カラオケが大好きだったんだ、いー君は。 好きな歌もよく覚えている。 カラオケボックスに入ったら、まずはいー君が好きだった歌を流すんだ。 そして時々合間に、いー君のよく歌っていた歌を流す。 ... 続きをみる

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  • 聞こえなくなった君の足音

    そういえば…… 最近は2階のいー君の部屋から聞こえてくる足音が、めっきり聞こえなくなってきた。 2匹のワンコ達があらぬ方向を向いて尻尾を振りだすこともなくなってきた。 君の気配が薄くなっていっているんだろうか。 僕はこの前自死遺族の研究をしてらっしゃる、某大学の助教授さ... 続きをみる

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  • 君がいない、当たり前に流れゆく時間

    決して忘れているわけじゃない。 決して悲しくなくなったわけじゃない。 僕、妻、娘、そしてわんこ2匹…… いー君の姿が見えない空間が、徐々に当たり前の様になっている。 みんな普通にそれぞれの時間を過ごし…… 時々リビングに掲げた、君の大きな写真... 続きをみる

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  • 君が好きだったあの場所へ

    明日は一日フリーになったから、早起きできれば、いー君が生前好きだったカラオケボックスに連れて行ってやろうと思うんだ。 英語の歌が得意で、いつもどや顔で歌っていたいー君。 いまは彼はマイクを握れないけれど…… でも、カラオケで彼が好きだった歌を流してやるんだ。 いつも3時... 続きをみる

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  • 冷蔵庫の一角を占めるもの

    今日になって気付いたことがある。 冷蔵庫の一角にまったく減ることのないものが存在している。 缶のチューハイだ。 僕は下戸だからアルコールは駄目なんだけど、嫁は仕事から帰ってくると、いつも嬉しそうにチューハイを飲むことが楽しみだったんだ。 でも…… 『あの日』から、一本も... 続きをみる

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  • 新しい家と、走り回る君

    今日ぼんやりと、いまの家に来た最初の日を思い出していた。 うちは本来新興住宅地の中に建っていた、モデルハウスだったんだ。 僕らがの家の区画だけが、狭いながらも庭がある分、縦に車を2台止めなきゃいけない変形の駐車場になっているんだ。 モデルハウスだから、他の家より玄関の証明とかがオシャレになっている... 続きをみる

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  • 振り向けばいつでも君はいて

    もう3月…… いー君がいない月日はどんどん流れていく。 あの動画を思い出して、時々見ることで…… いまは少し割り切れるようになった気もする。 振り向けば、いつも君は笑顔で手を振っていてくれる。 別に遠くに行くわけじゃない。いなくなるわけじゃな... 続きをみる

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  • 小さな君の瞳には

    今日は、障害者職業訓練はおやすみ。 久しぶりにゆっくり寝ていられる。 リビングから、妻の怒鳴り声と娘の泣き声。 寝坊したか学校に行きたくないか……なんかゴネているみたい。 娘にとって、お兄ちゃんはとっても大切な存在だったんだ。 僕には弟がいるけど、15歳くらいから、たっ... 続きをみる

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  • 君が通って行った『美しの門』

    ここ数日、ふさぎ込んで寝込むだけの毎日が続く。 いくら悩み苦しんでも、時間の流れは巻き戻せない。 わかっちゃいるんだけど、いろんなことを思い出しては悔恨の繰り返し…… 僕の創作のほうのサイトも完全にストップしている。 意識しなきゃいいんだけど、日々に微減していく来訪者数... 続きをみる

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  • お線香の値段

    結局雪は降らなかった。 寒いだけの快晴の一日。 テレビの大雪のニュースを見れば見るほど、なんか損したような気分になる。 結局今年は、雪は積もらないみたいだ。 雪をいー君に見せてあげたかったんだけどな。 仏壇買ったときとか、お葬式の時にもらったお線香がなくなってきたので、ホームセンターへと買いに行く... 続きをみる

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  • いー君、雪が降るよ

    日本全国、大寒波の影響で雪が積もっているらしい。 うちのところはさっぱり……雪景色を期待したのに、全然降る気配もない。 いー君の仏壇が、真冬の日差しに当たっている。 平和で静かな午後。 テレビの音が流れていて、家族全員がそれぞれの時間を過ごして。 いー君は日曜日になると... 続きをみる

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  • 『虚』~うつろ~

    娘が、夕飯の時間になっても、ゲームに興じている。 スプラトゥーン……とかいう、いま流行しているゲームだ。 なるほど、これは人気が出るはずだ。横で見ていても面白い。 キャラクターのコミカルな動きに、思わず僕も笑いが出てしまう。 家族で過ごす時間…&helli... 続きをみる

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  • 横殴りの、雪に吹かれて~敦賀の町の想い出~

    ちょうどこの時期に……3年ほど前だったかな。 いー君と関西圏と敦賀の電車に乗り放題の『冬の関西1DAYパスポート』を遣って、雪を見るため電車で2人で旅をしたことがある。 ちょうど今日みたいに、爆弾低気圧が来て雪が吹雪いているときだった。 雪を確実に見たかったし、ちょうど... 続きをみる

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  • どこへ行くにもカレーライス

    いー君は、カレーライスが好きだった。 どこへ外食に行くにも、選択肢に困ったらカレーライス食べてたなぁ。 いー君がカレー好きだったおかげで、ウチでも夕食は今でもカレーライスが多いんだ。 でも……最期の一年は、ダイエットしてるとかであんまりカレーライスも食べなくなっていった... 続きをみる

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  • お経の時はお静かに

    今日は息子の月命日だった。 正直ぎりぎりまで迷ったんだ。犬をどうしようかと……預けるかどうしようか。 お坊さんが来たら、ワンワン激しく吠えるだろうし、法事にもならないんじゃないかと思って。 でも、預けるにも2匹で2000円かかるし…… 先月来... 続きをみる

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  • いー君が見えない風景に

    人間って不思議なもんだ。 徐々にではあるが、いー君のいない毎日に慣れ始めてる。 人間こうやって、徐々に現実を受け入れていくんだろうか。 いー君は、相変わらず玄関にかけられた額縁の中で、満面の笑顔でピースサインをしている。 悲しまずに、前に歩いていこうよみんな! ……そう... 続きをみる

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  • 思い出をつなぎ直そうね、いー君。

    昨日は春日大社に、お札を返しに行った。 とりあえず神棚は空にして、仏壇のみを家に置くようにすることにしたんだ。 うちに来てくださるお坊さんは、こだわらなくていいよ、とおっしゃってくれたけど、こういうことは、しっかりしとかないと。 そして帰りに、奈良の国立博物館によることにした。 障害者の僕は無料だ... 続きをみる

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  • 壊れ行くもの、壊されるもの

    またテレビで悲しいニュースが流れてきた。 3歳の女の子が、バカな親に面白半分で虐待死させられたニュースだ。 僕が親を選べなかったように…… そして、いー君が僕たちと言う親を選べなかったように…… 望まぬして無垢な生命が、かような豺狼の如き輩の... 続きをみる

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  • こころのカフェの例会に行ってこよう

    明日は土曜日、月に一回の京都の指示遺族のネットワーク、こころのカフェの例会の日だ。 明日もいー君を連れて、また出席させていただこうと思う。 僕も最初は、みんなどのくらいの歳月で、こういった辛い出来事を思い出話に変えれるのだろう……そういうお話が聞きたくて先月初めて参加さ... 続きをみる

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