いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

いっそあの娘を恨めたら

今日ぼんやり、テレビの刑事ドラマを見ていた。


不慮の事故で幼子を亡くした母親が犯人で……


事故を起こした相手を殺した殺人事件の話。


涙腺が弱いのか、ぽろぽろ泣いてしまった。


ウチの息子の自殺の引き金を引いたのは、息子の彼女だ。


悪い子じゃないのは分かってるけど……


ネットを禁止にしておけば、彼女と会ってケンカして死ぬこともなかったろう。


直接の引き金は彼女でも……『下地』を作ったのは僕たち家族だ。


家族の温かさを教えていれば……彼女と別れたってどうということは無かったはず。


彼女はツイッターの向こうで……それなりに絵をかいたりしてるけど。


息子を殺したことをどう考えてるんだろう。


分かってる。息子は殺されたんじゃなくて、自分で死んだんだ。


でも……恨みに思わなきゃ、って気持ちも持ってるんだよね。


犯人として、あの女の子を恨めたら。


殺したい、と思うほど憎めれば……


幾分か気持ちも楽になるのかなぁ。


出会わなければ、息子は死ぬことはなかった。


でも、であったからこそ、息子も幸せな時間を過ごせたんだと思う。


どういう感情を、女の子に対して持てばいいのかが分からない。


でも……分かってることが一つだけ。


どんな感情を持ったって、息子が返ってくることはない。


いつかあの子が……誰かを愛し結婚し、幸せな日々を送るのかもしれない。


僕はその時……どういう感情を持つんだろう。


分かってるんだ。息子はもう帰ってくることはないってことが。



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