いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

2016年4月のブログ記事

  • 時計が止まった洗面所にて

    たぶん家族のみんなはみんな気づいてる。 気が付いているけど、誰も言わない。 錆ついたままの時計の秒針には、誰も手をあえて触れない。 『あの日』から、洗面台の横の棚には彼のパジャマと着替えが置きっぱなしになっている。 無論、いつまで置いていたって、着替える主はいない。 それでもそのまま、服は置いたま... 続きをみる

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  • 発泡スチロールだらけの波打ち際で

    ちょうどこの季節……むかし何度も行った越前海岸の呼鳥門のことを思い出す。 海岸線にせり出した大きな侵食された岩のアーチ……そんなにすごいもんでもない。 前のレストハウスにある日本庭園風のトイレ……凄いといえば凄いけど。 なんで何回も行ったかっていうと、気軽にオールシーズン海の岩場でヤドカリをとった... 続きをみる

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  • 立ち止まって雨に濡れて

    長い長い悲しみという大雨の時期は終わった。 再び太陽が顔を見せ、遺されたものは少しずつ日常を歩みだす。 太陽に照らされた道を歩いていこう。 僕たちの過ぎた道に黒雲はとどまっている。 歩かなきゃ…… 前に進まなきゃ…… でも分かってる。当たり前のことなんだ。 終わらない雨はない。 そして、終わらない... 続きをみる

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  • たくさん周りに落ちている『ごめんなさい』

    朝、駅へ向かう朝日を浴びた道で。 たくさんの人種渦巻く、京都駅の雑踏の中で。 僕は相変わらず、いー君に対して『ごめんなさい』をたくさん呟いている。 いー君からも僕たちに対して、『ごめんなさい』がたくさん聞こえてくる。 こんなはずじゃなかったのに。 こんなはずじゃなかったのに。 家族が家族として、当... 続きをみる

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  • いつか来る着信のために

    娘が中学校入学。早いもんだ。 いー君の時は、さんざんもめたが……スマホを買ってやることにした。 もう正直なところ、勉強ができるとか成績が下がるとか……そんなことはどうでもいい。 生きてくれさえいてくれればいい。 堕落しようと、荒れようとも……娘にはずっと放恣のままでいいから生きてほしい。 とにかく... 続きをみる

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  • たくさんの悲しみはあるけれど

    最近少し落ち着いてきたような気がする。 酷薄なわけでも無神経なわけでもない。少し割り切れてきた。 悪魔に魂を売ったって、いー君は生き返らないということ。 そんなことしたって、いー君は喜ばないこと。 いつまでも泣いていたって、いー君は生き返らないってこと。 いつまでも泣いていたって、いー君は喜ばない... 続きをみる

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  • 君の妹の入学式

    昨日は娘の入学式だった。 彼女の晴れ姿……いー君はちゃんとどこかで見ていてくれたよね。 まさか思ってもいなかったんだよね、君がいなくなってしまうことなんか。 生意気な態度をとる妹を、ときどき君は叩いて泣かせていたっけ。 そのたびに怒られ役にしてしまって、ごめんねいー君。 君の大切な妹は、もう中学生... 続きをみる

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  • 日の当たる眠るべき場所

    今日は復職訓練はおやすみ。 息子の月命日のお坊さんの手配をお願いするついでに、お寺の納骨堂の見学をさせてもらった。 大きなショッピングモールに隣接した、古い大きなお寺のビルの中に、納骨場所はある。 今すぐに納骨というわけじゃないけど、100万円で永代供養だし、どこかでお願いしなきゃならないからね。... 続きをみる

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  • 僕たちがいれたスイッチ

    いー君最後の方は思い詰めさせてしまったのかな……そんなことを感じる。 いまでこそ円満だけど、去年の今頃は夫婦間が険悪だった。 嫁が一方的に僕を無視した。完全無視……家庭状況は最悪。 2月から4ヵ月間……僕が精神病院の閉鎖病棟に入るまで。 理由はものすごくつまらないことだったんだ。 僕が趣味に没頭し... 続きをみる

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