君のおみやげ
いー君の小学校の時の修学旅行は、伊勢志摩だった。
いまも……僕の寝室のテレビ台の上には、いー君の伊勢志摩のお土産が置いてある。
『いつまでも元気でね お父さん お母さん』
……と人形の入った、小さな置物。
見るたびに、胸が締め付けられる。
買ってきたときといまとでは、その意味合いは違うから。
いつまでも元気でね……
いー君の中にあった、確かな願い。
もっと喜んで受け取ればよかった。ありがとうって抱きしめてやればよかった。
そこに置いといて……とかいう対応をしてしまったと思う。
いまとなっては、悔恨の念しかない。
いつまでも元気でね……
いー君の願い、受け止めなきゃ。
悔しいよ……そういう意味だったなんて、いまになって分かるなんて。
君がこんなことになるってわかってたら、24時間……ずっと抱きしめて離さなかった。
1分1秒でも長く……一緒の時間と空間を共有したかった。
いつまでも元気でね……
そうだね、元気でいなきゃね。
ママと手を取り合って、しっかりといー君に会えるまで、一緒に歩いて行くよ。
そして、君のくれたおみやげは、死ぬまで大事にする。
君の願いが形になったもの……
見ててね、君に会えるまで、家族みんなしっかりと前を向いて歩いて行くよ。
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。