君が通った真っ白な道を
朝7時。
今日もいー君が乗っていた自転車に乗って、駅へと向かう。
いー君が学校へ行くために毎日通った、人気のない朝の光を浴びた真っ白な道。
辛い時もあったよね。希望に満ちあふれた日々もあったよね。
僕が君が去年の今頃感じていた、朝の光る風を同じように受けている。
本当に素直で、まっすぐな子だった。
両親の愛を力いっぱい受けた、心が真っすぐな男の子。
そして彼女の愛を力いっぱい受けた、心が真っすぐな男の子。
多くの人たちに好かれ、心がきれいなまま最後まで走りきったんだよね。
最近ね。ちょっと気持ちが楽になってきたんだ。
人の一生なんか、とっても短いもの。
僕たち家族がどんなに長生きしたところで、君が遠ざかっていくわけじゃない。
本当は会ってたくさんたくさん話がしたい……
本当は会って力いっぱい抱きしめてあげたい……
でも、心配しなくていいんだよね。
君はいつも後ろに立って、僕たちが生きていく姿を応援してくれている。
病を得て死を宣告されても、君が後ろに立ってくれているから怖くない。
いつか来る天災に恐怖のなか命を落とそうとも、君に会えるんだから怖くない。
いつでも会えるんだ。
そして次に会えたときは、嫌というほど永遠に一緒にいられるんだ。
さ、明日も頑張らなきゃね。
僕の首の遺骨ペンダントの中には、いつも君がいるから……さびしくないから。
明日も、君が通った朝の光の道を、君の自転車で駆けていこう。
君が通ったように、まっすぐに、前を見て、力強く。
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