時計が止まった洗面所にて
たぶん家族のみんなはみんな気づいてる。
気が付いているけど、誰も言わない。
錆ついたままの時計の秒針には、誰も手をあえて触れない。
『あの日』から、洗面台の横の棚には彼のパジャマと着替えが置きっぱなしになっている。
無論、いつまで置いていたって、着替える主はいない。
それでもそのまま、服は置いたままにしてある。
服を撤去したら、何か大切なものまで無くなってしまいそうで。
いー君は大切な家族だ。
これまでも、そしてこれからも……
だから、いつまでも置いておこうと思う。妻や娘の中で何か整理がつくまで。
家族のモノが、家族のモノを置く場所にあるのは当然のことだよね。
心配しないで、ずっと置いておくよ。
君がいつ帰ってきてもいいようにね。
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