いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

子供がいなくなった子供の日

ちょっと所用があって、近隣の大きなショッピングセンターに行ってきた。


子供の日……いつも、こういうところにいー君たちを連れてきてやっていたっけ。


周囲を楽しそうに笑いながら、親子連れが歩いていく。


かつては僕たちも、そんな時代があったんだ。


無尽蔵の家族で過ごす時間があると思っていた。


無尽蔵の笑顔で自分が死ぬまで過ごせると思っていた。


そんな幸せが有限のモノだとは、想像すらしていなかった。



僕のつなぐ手の先には、いー君がいて……
僕が笑うと、満面の笑顔で返してくれたよね。


人はどうして歳をとるのだろう。
人はどうして大きくなっていくのだろう。


あの時の小さないー君のままでずっといてくれたなら……
濃いとか進路に悩む必要になんてなかったのに。


ずっとずっと毎日笑顔で無邪気に過ごせたよね。


君が子供の日にかぶっていた、新聞紙の兜も……僕の遠い記憶の中に。


いまの僕にとっての『子供の日』


こんな残酷な言葉はないよね。