木曜日に、会社の上司と、病院の主治医と復職面談があったんだ。

結果から言うと、復職はまた延期になった。

僕のメンタルが安定しきってないこと……

それよりも何よりも……

僕の障害はどんなにあがいたって健常者に追い付けない、健常者の社会の中で今のままでは、やっていくのが難しい……そう主治医に告げられた。

重度のASDの障害を持つ人が、社会で仕事をしていくのは困難……
それは分かっている。
ほとんどのASDの人が無職で、引きこもって年金で生きている。
それも分かっているんだ。

能力不足……
社会で生きていくには、能力不足……

主治医にはっきり言われると、堪えるね、こりゃ。

正直もっと早く……自分の障害を知っていれば。
とてもじゃないけど、社会でまともに生きていけない障害者だってことをもっと早くに知っていれば。

結婚もしなかったし、子供も作らなかったよ、間違いなく。

少なくとも、いー君は生まれなかったし、死ぬこともなかった。

端的にいえば、絶対子供なんかASDの人間が産んじゃダメだったんだ。

能力不足。
……脳の欠陥で、能力不足。

僕が身分不相応の幸せを求めたために、一つの命を散らせてしまった。

いー君のことになんか、気が回らなかった。
だって、自分のことしか考えられない脳なんだもの。

他の自死遺族のみなさんとは、また僕はちょっと事情が違うんだよね。

他の人たちは不幸なめぐり合わせだったんだとおもう。
能力不足でも、やり方を間違ったわけでもないんだと思う。
何も間違っていない、ボタンを運悪く掛け違ってしまっただけなんだよ、きっと。

でも僕の場合は……

純粋な能力不足だったんだ。
絶対子供作るなんかとんでもない……
社会に出るなんてとんでもない……
能力不足の生き物。

今更悔やんでも仕方ないんだけどね。

スタート時点でダメだったんだから、今更自分の障害呪っても仕方ない。

でもね……

頑張ってるんだ。
頑張ってきたんだもの。

裏のブログじゃ、僕の作品……沢山の人が楽しんでくれて、見に来てくれる。
どんなときだって、一定数の人は僕の作品を見に来てくれる。
弟子だって言ってくれる人もいる。大御所って言ってくれる人もいる。

頑張ってるんだ。

社会生活も、仕事もいつも赤点、欠陥品。

でも、健常者に負けずに頑張ってる部分だってあるんだ。

生きなきゃね。
いー君の分まで、いまある能力を使って、一生懸命生きなきゃ。

そうじゃないと、いー君に申し訳ないんだ。

人に負けない部分は、一生懸命頑張ろう。
社会や仕事で能力不足だって言われても、輝けるところで輝かなきゃ。

いー君に胸を張って会うんだ。

一生懸命生き抜いて、輝いて……

いー君に胸を張って、パパは生き抜いてきたよ、って胸を張るんだ。

完全な人間として生まれることは出来なかったけど……
完全な人間として、自分の人生に幕を下ろしたいんだ。

そうでなきゃ、いー君に申し訳が立たないから。

心配しなくても、欠陥品の僕でも、いつかは必ず死ねる。

それまでは頑張らなきゃね。

僕が僕であること……

それ以上に、僕はいー君の父親であること。

明日も一生懸命生きて行こう。

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