いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

いー君のうちゅう図鑑

ここ数日、ずっといー君のことばかり考えている。
ああすればよかった、こうすればよかった……


ふっきれたとか言ってたけど、ありゃ嘘だ。ぜんぜん吹っ切れていない。


四六時中、ああすればよかった、こうすればよかった……そればっかり考えてしまっている。


ふと、今日リビングの本棚に目をやったら、小さい頃買ってあげた学研の『うちゅう図鑑』が置いてあった。
宇宙……
たった17年の彼の人生において、宇宙の知識とは、どれだけの価値があったんだろうか。


宇宙という途方もないスケールで考えれば、僕よりも早くいー君が逝く現象など、ほんの小さな歴史の誤差でしかないのかもしれない。


でも僕は……


とっても小さな4人しかいない家庭を……
とっても小さなちっぽけなものさえ守ることができなかった。
他の一般家庭のように、平々凡々でもいいから子供を一人前に育てて社会に送り出す……
そんなことさえできなかったんだ。


目を輝かせてうちゅう図鑑のページをめくっていた、いー君の小さな姿。
ちゃんとこの本は、いー君に夢と希望を確かに与えてくれたと思うんだ。


でも、それを……次世代に引き継ぐことはできなかった。
僕は次世代に、夢を引き継ぐことはできなかった。


悔しいんだ。
ただひたすらに悔しい。


ここのところ、ずっと落ち込んでいる。


前を向いて歩こうと思っても……
やっぱり失ったものは、あまりにも大きすぎるんだ。


創作も完全にストップしている。
前を向いて生きる僕には、必要不可欠な創作活動……
それさえも、いー君のことを思い出したら、完全に手が止まってしまう。


僕は、宇宙に比べたら、ちっぽけ過ぎる家族というものさえ守れなかった。
僕にもいつか終わりが来て、目を閉じるとき……やっぱりこの事実と向き合うのだろう。


この一生癒えない傷も……宇宙にとっては、ものすごくちっぽけなものなんだろうな。


僕の家のうちゅう図鑑には……


いー君の夢と希望がたくさん遺されているんだ。




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