いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

いー君の17年が遺したもの

約6240日……
ざっくり計算したら、いー君の生きた日数はこんな感じだった。


17年……やっぱり短いと思うんだ。


成人式もやってない。
車の免許も取ってない。
お酒の味も……煙草の味も知ることなく逝ってしまった。


恋ができたのが救いなのかな。


でもその恋のために、いー君は命を絶ってしまった。


おしゃれでスタイリッシュで……


僕が15歳の大みそかの夜に……説教したのが、今となっては本当に悔やまれるんだ。


いー君は、パパに似て小太りでだらしない男の子だった。


夜更かしばっかりしているダメないー君を、パパはすごく怒ったんだよね。


そしたらいー君は、一念発起しておしゃれな男の子になってしまった。
きれいな彼女までできて……


ダメなままでよかったんだよね……どんなにダメでも、生きてさえいてくれば良かった。
勉強もダメで、就職もダメで、彼女もできなくて……なにもできなくて。


そんないー君でよかったんだよ。


ただ……生きてさえいてくれたら、僕は何も要らなかったんだ。


勉強できて、かっこよくて、彼女もいたリア充のいー君。


彼女のツイッター見てみ。


まだ彼女は、大事ないー君って愛してくれてるぞ。


太く短く生きた人生……いー君はそれでよかったのかな。


パパはね……寿命が来て死ぬときに、君に見送ってほしかったんだ。


どんなに不細工でもダメダメでもよかったんだよ、命のバトンを君に託した……そう思って死にたかったんだ。


いま、僕の前には、バトンが転がっている。


僕が、僕のパパから受け取って、君に渡した赤いバトン……


そして君が、次の世代へ渡すはずだった、赤いバトン。


それを君は置き忘れたまま、君が先に逝ってしまった。


このバトンは、だれに渡せばいい?


僕は、だれにもバトンを渡せずに……ここで終ってしまうんだよ。


パパはね、16700日も生きてるのに……


なにも遺せずに人生が終わっちゃう。


君に会えるその日まで……


僕が君の所へ行けるその日まで……


僕はどんな顔を過ごせばいい?


20000日生きても、30000日生きても……


もう誰にもバトンを渡すことはできないんだ。


パパは何のために、生まれてきたのかな……


パパは、その答えを出せずに、君の所に行くことになりそうだ。
ダメだね、ここ最近いろいろ考えてしまうんだ。


君が17年で遺したもの……


この赤いバトンをどうしたらいいんだろうね。



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