いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

君が通って行った『美しの門』

ここ数日、ふさぎ込んで寝込むだけの毎日が続く。


いくら悩み苦しんでも、時間の流れは巻き戻せない。
わかっちゃいるんだけど、いろんなことを思い出しては悔恨の繰り返し……


僕の創作のほうのサイトも完全にストップしている。
意識しなきゃいいんだけど、日々に微減していく来訪者数。
そんなちっぽけなものに、焦燥感にとらわれ創作を進めなきゃ……と思うけど、手が進まない。


昨日、偶然目にしてしまったんだ。
アドレスは張らないけど、youtubeで『自殺 実況』と検索すれば見られる、日本人の若い男の子が実際に首をつって痙攣して死んでいく動画。


いー君も首をつったんだから、検死のお医者さんは即死だとおっしゃられたけど、やっぱり同じように痙攣して動かなくなったんだろうな……
そんな事を思いながら動画を見ていた。


いー君の選んだ死に方は、ものすごく変則的で独創的で……即死できる死にかただった。


正直なところ、若いころから何度も自殺未遂を繰り返して生きてきた僕にとっては、ものすごく魅力的で……


ふと衝動的に、いー君が逝ってから何度も死のうと思ったんだ。


でも、やっぱり色々考えちゃう……


旦那と子供を一度に失う、嫁の気持ちとか……


父と兄を一度に失う、娘の気持ちとか……


毎朝僕に駆け寄ってくれる、かわいい2匹のダックスフントの行く末とか……


でも、とっても魅惑的なんだ……


君の通って行った、死への世界へ通じる『美しの門が』。


そこを通ってしまえば……


もうなにも悩まなくていい。


生まれた時から僕に呪詛のように降りかかる先天的な障害とか……


煩わしい人間関係とか……お金のこととか、もう誰とも死別しなくていいとか……


でもやっぱり、置いていくことをためらってしまうんだ。


嫁や娘やワンコたちや……


そして、毎日僕の作品の更新を楽しみに見に来てくれる数百人の人たちを。


僕がいなくなっても、だれも困らないのかもしれない。
3日もたてば、何もなかったように、また世の中が回りだすのかもしれない。


いー君が通って行った『美しの門』は、今も魅惑的な甘い匂いを放ってぼくを誘っている。


いつかは、衝動的に僕もそこを通ってしまうかもしれない。


でも、今夜は踏みとどまろう。


いつか踏み出す勇気が出るかもしれない。
行くか来るその日まで、僕はこうやって君への思いを書き綴ろうと思うんだ。


わかってるよ、そんなにあわてなくても、いつかは絶対君の所へ行けることは。


僕はいつか来るその日まで……


美しの門に背を向けて、精いっぱい歩けるだけ歩いてみようと思う。