いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

『虚』~うつろ~

娘が、夕飯の時間になっても、ゲームに興じている。


スプラトゥーン……とかいう、いま流行しているゲームだ。


なるほど、これは人気が出るはずだ。横で見ていても面白い。
キャラクターのコミカルな動きに、思わず僕も笑いが出てしまう。


家族で過ごす時間……


笑いに満ちた楽しい時間。


でも、何か一つ足りない時間。


そうなんだよね。やっぱりいー君がいなきゃ。


でも、こんな状況でも、何とか笑いと楽しさで埋め尽くそうと思うんだ。


先日、某大学の先生の研究の協力をしていた時、先生が言われていた。


旦那さんが奥さんを残して、自死をされた家。


『見える』方が、その家を訪れた際。


亡くなった旦那さんは、ひたすらさまよっていたそうだ。


奥さんに自死してしまったことが申し訳なくて、謝りたくて謝りたくて……ひたすらさまよっておられたんだって。


いー君はどうなんだろうね。


もしかしたら、僕たちに謝りたくて、謝りたくて……ずっと苦しんでいるんじゃないかって。


大丈夫だよ、いー君。


謝らなきゃいけなかったのは、君を助けられなかった、僕たちの方なんだから。


いー君が安心して、この家で何も悩まずに過ごせるように……


僕たちは、できるだけいっぱいの笑いと楽しい雰囲気で、この家を満たしておくよ。


いー君がいつまでも、ゆっくりこの家で過ごせるように。


いー君が、いつまでものんびりと過ごせるように。


虚ろな笑いでもいい、乾いた笑いでもいい。


とにかく、笑いと明るさで満たしておくんだ。


いー君が、いつでも『ただいま』って帰ってこられるように、ね。



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