いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

2階の足音~ずっといてもいいからね~

ミシッ……ミシッ……


(まただ……)


誰もいない2階から聞こえてくる足音。
部屋や廊下をせわしなく移動しているようだ。


あの子がいなくなってから、静かな昼間……『彼の足音』が頻繁に聞こえるようになった。


いや……オカルトとか、そっち方面の話じゃないんだ。


ただ事実としてこういう話を書いてる。
階下から話しかけたらぴたりとやむ。
そしてしばらくしたらまた歩き始める。


ダックスフント2匹は、その音に過敏に反応して、ワンワンワンワン……うるさいことこの上ない。


正直家に一人でいるときは、そういうのはご遠慮願いたいんだ。
いや、いてくれるのはうれしいんだけど……恥ずかしがらずに出てくればいいのに。


でもやっぱりうれしいな。家にちゃんといてくれるんだ。


気のせい?
気のせいでも十分なんだ。


いー君……ずっとおうちにいてもいいからね。
もう何にも悩むことはないんだ。ずっとうちでゆっくりしていてね。


もしかしたらいるのかもしれない……そう期待して、彼の自室をあけるけどやっぱり空っぽ。


君の部屋はずっとこのままにしておくよ。
断捨離なんか糞食らえだ。
ずっとずっと僕たち家族が暮らしたあかし……いー君の部屋はそのままに取っておく。


どこにも行かなくていいんだよ。
ずっとみんなでこの家に一緒にいようね。


君が過ごした17年間の大切な思い出がここにはあるんだ。
ずっとずっと君の部屋は、このままにしておくね。


ずっとずっと……この家でゆっくり過ごしてね、いー君。



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