君の横には彼はいなくて
不登校の中学校の娘が、最近子供の時に抱いてたお人形さんと寝るようになった。
幼児返りなんだろうが仕方ない。
いー君が生きていたときは、良く小競り合いがあって泣かされていた娘。
いま、娘の横にはだれもいない。喧嘩する相手もいない。
ただお人形さんだけが、彼女の支えなのかもしれない。
兄妹……この世でたった一人だけのお兄ちゃん。
遺書になにも書かれずに逝かれた、娘の寂寥感はいかほどのものか。
昼間は誰もいないリビング。お兄ちゃんの遺影がかかったリビング。
彼女の心の傷を僕は癒してはあげられないのか。
今日も娘は一人ぼっちで、リビングで過ごす。
お兄ちゃんの遺影の中の笑顔。それだけが彼女の心の支えなのかもしれない。
今日も娘は一人ぼっち。
お兄ちゃんがいなくなって一人ぼっち。
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