いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

百万回のありがとうを君に

今日はちょっとした本に出会った。


知り合いが教えてくれた青い小さな冊子。


精神科医の先生が書いた、ありがとうは魔法の言葉……みたいな薄い本だ。


ありがとう……幸せです、ありがとう……


自己暗示をかけるかのように、何度も何度も書き連ねられていた。


そうなんだ忘れていた……哀しさだけでいろんなものを見失っていた。


僕は、いー君にありがとうって気持ちを伝えるのを忘れていたんだ。


僕は彼に会うことで、あの悲しい出来事以上に沢山の幸せをもらったんだよね。


いー君……僕の子供として生まれてきてくれて、ありがとう。


子育ての楽しさを教えてくれて、ありがとう。


17年僕と一緒に歩いてくれて、ありがとう。


沢山僕に生きがいをくれて、ありがとう。


沢山の幸せを僕たちにくれて、ありがとう。


人を慈しむ心を教えてくれて、ありがとう。


生きることが有難いことだと教えてくれて、ありがとう。


人を失うことの悲しさを教えてくれて、ありがとう。


死んだいまもずっと僕の心に寄り添ってくれて、ありがとう。


毎日毎日崩れてしまいそうな僕の心を支えてくれて、ありがとう。


いまも君の大切な妹を見守ってくれて、ありがとう。


ありがとう……ありがとう……数え切れないくらいのありがとう。


君が生きているうちに伝えられなかった言葉。


そうなんだ、悲しさでずっと忘れていたんだ、君へ伝えなきゃいけない真の言葉。


百万回のありがとうを、君に送ろう。


急がなくても、君に会えるよね。
いつかきっと、君に会えるよね。


抱えきれないありがとうを抱えて、君にきっと会いに行くね。