さあ、遺族会へ行こう!
明日は遺族会だ。
多くの同じ境遇の人たちが集まり、力いっぱい泣ける日。
詳細は会の約束だから話せないけど……
僕よりとっても辛い人たちが、沢山たくさんいるんだ。
僕は少し……いー君の現実を飲み込めたような気がする。
もうだれにも頼らずに歩いていく力があるような気がする。
でも、伝えたいんだ。
僕といー君のささやかな物語を誰かに。
それが誰かの力になれば……
僕より後にお子さんを亡くした人たちがたくさん来る。
そう。話すことだけでも、ちょっとだけに楽になるんだよね。
誰かの物語を聞いていたいんだ。
興味本位じゃない……沢山の物語を僕は知りたい。
そして僕たちの話を聞いてもらうんだ。
僕の今の気持ちが……たったの一人でも伝わればそれでいい。
いつか……
いつかこんな悲しい想いをする人たちが、地上からいなくなりますように。
一人でもたくさんの子供を、こんな理不尽な死から救えますように。
今の僕に何が出来るのかは分からない。
でも、何かアクションを起こしたいんだ。
僕たちの心の傷痕なんか絶対に癒えない。そんなのことは分かってる。
でも前へ。
一歩でも前へ。
出来ることをやっていこう。
そうだよね、いー君。
君のやったことは、決して無駄なんかじゃない。
何か意味を持たせてあげる。
パパが必ず意味を持たせてあげる。
さ……
いー君、明日も電車だ。
バスにも乗れるよ、午前中は嵐山へ行こうか。
楽しい一日にしようね。
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