誰も悪くないとは言うけれど……
今日もまた、小さないー君を自転車に乗せて駅まで向かう。
今日もまた、小さないー君を膝に乗せて電車に乗る。
今日も作業所のカウンセラーさんといろいろお話をしていた。
亡くなったいー君の話になって……
気持ちは分かるけど、決して僕が悪いわけじゃない、誰が悪いわけじゃない……と。
それは、自死遺族の分かち合いの会でも言われるんだよね。
遺された人が悪いんじゃない、亡くなった人が悪いんじゃない……って。
分かってるんだ。言ってることはとっても分かるんだ。
でもじゃあ、どうして……こんな悪い……悪すぎることが起きたんだろう。
やっぱり悪い要素があるからこそ、こんなに悪い悲しいことが起きるんだと思う。
自分を責めすぎないで……よくそう言われるけど。
やっぱり、自分を責めて当たり前だよね。
気持ちでも理屈でも割り切れないこの気持ち。
気持ちでも理屈でも割り切れない子への気持ち。
明日から娘は林間学習。
楽しげに学校の様子を話す、いー君の妹。
彼女の中にも、やっぱりお兄ちゃんへの想いは切れていないのだろう。
でも、彼女の心に自責の念だけは持たせたくないんだ。
そういうものは、親が受け持つものだと思う。
遺された誰も悪くない、と人は言う。
死んでいった人は誰も悪くない、と人は言う。
そんな境地に、いつ僕はたどり着くことが出来るのだろう。
いー君のことを笑って話せる日は、いったいいつ来るのだろう。
まだ僕はそんな気持ちを持つことは出来ないから……
今日も明日も明後日も……
僕はいー君を自転車に乗せて走り続ける。
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