とっても小さな君を連れて
電車に乗る時、街を歩くとき……
いつも僕の横には、いー君がいる。
いつも左手を伸ばして、いー君と手をつないでいる。
自転車に乗る時は、いつもいー君を後ろに乗せている。
いま僕といつも一緒に行動しているいー君は、5歳くらいの小さな頃のイメージ。
電車で横が空席の時はちょこんと座ってニコニコしているいー君が見える。
隣の席が埋まったら、だっこして膝の上に座らせてあげる。
街の中を歩く時、駅の中を歩くとき……
手をつないだいー君は、一生けん命ちょこちょこ歩いて、ときどき僕の顔を見上げてニコッと笑ってくれるんだ。
居なくなったと勝手に思い込んでるだけだから。
見えないと勝手に思い込んでるだけだから。
いー君は間違いなくここにいる。
ある時はカッコいい、可愛い彼女がいたいー君。
ある時はとってもちっちゃな可愛い男の子のいー君。
沢山の色んないー君が、間違いなくここにいる。
僕の伸ばした手の先に。
僕や妻や妹や……一緒に生きたたくさんの人の心の中に。
手を伸ばせばつかめるんだ。つかめないって思いこんでるだけ。
頭もちゃんとなでられるんだ。なでられないって思いこんでるだけ。
おしゃべりだって出来るんだ。おしゃべりできないって思いこんでるだけ。
そして抱きしめられるんだ。抱きしめられないって思いこんでるだけ。
そう……いつだっていー君はいつも一緒。
だからさびしくないんだよね。
明日は土曜日でお休み。
いー君を助手席に乗せて、ドライブに行こう。
とっても小さな、可愛いいー君。
勝手に思い込んで、諦めちゃだめだ。
信じよう……
僕らの過ごした長い時間は、嘘をつかない。
信じよう、信じよう。
いつだって僕の伸ばした左手を、いー君は握り返してる。
勝手にいなくなったとか、思いこんでてごめんね。
ちゃんといるよね。パパとママ、勝手に泣いてるだけだよね。
そうともさ。
今日も明日も明後日も……
ずっとずっと、いー君と一緒。
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