一緒に歌おう!
今日は当分平日はもう休めなさそうだから、フリータイムのカラオケへ。
もちろん首には、いー君の遺骨ペンダント。
カラオケが大好きだったんだ、いー君は。
好きな歌もよく覚えている。
カラオケボックスに入ったら、まずはいー君が好きだった歌を流すんだ。
そして時々合間に、いー君のよく歌っていた歌を流す。
もっともっと覚えておけばよかったな、いー君の歌のレパートリー。
まさかこんなことになると思ってなかったら、いー君が歌っている間トイレとか行ってたからなぁ……
楽しく歌っているうちに、いー君の姿が見えてくる。
端末とにらめっこして、次の曲を探すいー君。
スマホをいじって、僕の歌を聞き流すいー君。
沢山のいー君がうっすらと見える中、僕は歌い続けるんだ。
お空の上にいる君に、この歌が届きますように。
僕のそばに寄り添う君に、僕の歌が聞こえますように。
もっともっと沢山、教えてあげたい歌があったのに……
口ずさめる歌が、君の窮地にあればこんなことにならなかったかもしれないのに。
僕の歌とどいたかな。
僕の想い……君に届いたかな。
帰って玄関を見たら、君の満面の笑顔のピースサインの写真。
一緒だよね、僕たちはいつも一緒。
いー君はいつも一緒。
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