いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

聞こえなくなった君の足音

そういえば……


最近は2階のいー君の部屋から聞こえてくる足音が、めっきり聞こえなくなってきた。


2匹のワンコ達があらぬ方向を向いて尻尾を振りだすこともなくなってきた。


君の気配が薄くなっていっているんだろうか。


僕はこの前自死遺族の研究をしてらっしゃる、某大学の助教授さんのところへ協力に行った際、いろいろお話を聞かせてもらった。


約4割の自死遺族の方が、足音を聞いたり、実際生前の姿が見えたりするそうだ。


僕も別にオカルトマニアでもないし、幽霊なんか信じないたちだけど。
そういうのを関係なしに、不思議な体験をする人がいるらしい。


もっとも寒い時期だったから……温度差で家がきしむ『家鳴り』だったのかもしれないけど。
それでもいー君の気配がするのは、何となくうれしかったんだ。


そういえば、オカルトじゃなく真面目に輪廻転生を研究してらっしゃる学者さんがいて。その人の説によると、4年5カ月平均で人は生まれ変わるそうだ。


リンクは張らないけれど【4年5カ月 生まれ変わる】で検索してみれば、沢山の記事を見ることができるとおもう。


僕は精いっぱい生き抜いて、息子が待っているところに会いに行くつもりだけど……


自分が死んでから、いー君はすでに次の人生を歩んでいて……立派に過ごしていてくれるなら、それはそれで悪くないと思うんだ。


誰にも正しい答えなんかわかりはしない。


人間死んだら天国も地獄もなく、それでおしまい……それも真実かもしれない。
色んな宗教の生死観……それも正解かもしれない。
この学者さんの研究結果……それも正解かもしれない。


それぞれの人が、それぞれ信じる道に向かって歩いていけばいいんだと思う。


大切なのは、自分が後悔を残さず人生を生き抜くこと。


精一杯やり抜いて……僕が信じる……お浄土にいるいー君に胸を張って会うこと。


負けちゃだめなんだ。
逃げちゃだめなんだ。


どんな結果なのか……真実は誰にもわからないから。


やれるだけやってみなきゃね。