たくさん周りに落ちている『ごめんなさい』
朝、駅へ向かう朝日を浴びた道で。
たくさんの人種渦巻く、京都駅の雑踏の中で。
僕は相変わらず、いー君に対して『ごめんなさい』をたくさん呟いている。
いー君からも僕たちに対して、『ごめんなさい』がたくさん聞こえてくる。
こんなはずじゃなかったのに。
こんなはずじゃなかったのに。
家族が家族として、当たり前にそこにあり続けること。
ものすごく簡単なことだと思っていた。
色んな事を失敗して泣いて……それでも、永遠に消滅しないものだと思っていた。
もっとどうして分かってあげられなかったのだろう。
どうしてもっと、命の大切さを教えておいてあげられなかったのだろう。
どうして死ぬ二日前、カラオケ行きたい……って彼の申し出に金をケチったのだろう。
どうしてもっと、沢山話し合うことができなかったのだろう。
どうして。
どうして。
どうして。
どうして。
いまそれを問うても、何の意味もなさないことは分かっている。
落ち着いてる……確かに。
子供の死を僕は受け入れつつある。
でも、僕は納得がいかないんだ。
確かにベストはつくせなかった。
でも、チャンスが欲しかった。
家族として、大切に子供を育てきるチャンスを。
こんな終わり方、納得できないよ。
昨日も今日も、明日も明後日も……
僕はずっと『ごめんなさい』をつぶやき続けて生きていく。
死ぬまで。動かなくなるまで。何も分からなくなるまで。
僕は沢山の『ごめんなさい』を撒き散らして生きていく。
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