君が好きだったあの場所へ
明日は一日フリーになったから、早起きできれば、いー君が生前好きだったカラオケボックスに連れて行ってやろうと思うんだ。
英語の歌が得意で、いつもどや顔で歌っていたいー君。
いまは彼はマイクを握れないけれど……
でも、カラオケで彼が好きだった歌を流してやるんだ。
いつも3時間パックの終了時間を気にして歌っていた君……
明日は存分にフリータイムで歌うといいよ、割引券もあるからね。
君は本当に、歌が好きだったよね。
明日は、パパがゆっくり付き合ってあげる。
心のままに、一生懸命歌ってごらん。
楽しい時間を過ごそうね。
二人でマイクを握って歌った【二つの翼】という歌。
パパが小さかったいー君に教えてあげたのに、パパがいまになってすっかり忘れてたもんでよくとちるから、いつも不満顔だったっけ。
頑張って思い出すね……って約束したのに。
もう君は一緒に歌えない。
パパがちゃんと歌ってあげるから……
明日は一緒にそばにいてね。
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