いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

君のおみやげ

いー君の小学校の時の修学旅行は、伊勢志摩だった。


いまも……僕の寝室のテレビ台の上には、いー君の伊勢志摩のお土産が置いてある。


『いつまでも元気でね お父さん お母さん』


……と人形の入った、小さな置物。


見るたびに、胸が締め付けられる。


買ってきたときといまとでは、その意味合いは違うから。


いつまでも元気でね……


いー君の中にあった、確かな願い。


もっと喜んで受け取ればよかった。ありがとうって抱きしめてやればよかった。


そこに置いといて……とかいう対応をしてしまったと思う。


いまとなっては、悔恨の念しかない。


いつまでも元気でね……


いー君の願い、受け止めなきゃ。


悔しいよ……そういう意味だったなんて、いまになって分かるなんて。


君がこんなことになるってわかってたら、24時間……ずっと抱きしめて離さなかった。
1分1秒でも長く……一緒の時間と空間を共有したかった。


いつまでも元気でね……


そうだね、元気でいなきゃね。


ママと手を取り合って、しっかりといー君に会えるまで、一緒に歩いて行くよ。


そして、君のくれたおみやげは、死ぬまで大事にする。


君の願いが形になったもの……


見ててね、君に会えるまで、家族みんなしっかりと前を向いて歩いて行くよ。