いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

君が通った真っ白な道を

朝7時。


今日もいー君が乗っていた自転車に乗って、駅へと向かう。


いー君が学校へ行くために毎日通った、人気のない朝の光を浴びた真っ白な道。


辛い時もあったよね。希望に満ちあふれた日々もあったよね。


僕が君が去年の今頃感じていた、朝の光る風を同じように受けている。


本当に素直で、まっすぐな子だった。


両親の愛を力いっぱい受けた、心が真っすぐな男の子。


そして彼女の愛を力いっぱい受けた、心が真っすぐな男の子。


多くの人たちに好かれ、心がきれいなまま最後まで走りきったんだよね。


最近ね。ちょっと気持ちが楽になってきたんだ。


人の一生なんか、とっても短いもの。
僕たち家族がどんなに長生きしたところで、君が遠ざかっていくわけじゃない。


本当は会ってたくさんたくさん話がしたい……
本当は会って力いっぱい抱きしめてあげたい……


でも、心配しなくていいんだよね。
君はいつも後ろに立って、僕たちが生きていく姿を応援してくれている。
病を得て死を宣告されても、君が後ろに立ってくれているから怖くない。
いつか来る天災に恐怖のなか命を落とそうとも、君に会えるんだから怖くない。


いつでも会えるんだ。


そして次に会えたときは、嫌というほど永遠に一緒にいられるんだ。


さ、明日も頑張らなきゃね。


僕の首の遺骨ペンダントの中には、いつも君がいるから……さびしくないから。


明日も、君が通った朝の光の道を、君の自転車で駆けていこう。


君が通ったように、まっすぐに、前を見て、力強く。