いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

お経の時はお静かに

今日は息子の月命日だった。


正直ぎりぎりまで迷ったんだ。犬をどうしようかと……預けるかどうしようか。


お坊さんが来たら、ワンワン激しく吠えるだろうし、法事にもならないんじゃないかと思って。


でも、預けるにも2匹で2000円かかるし……
先月来てくださったお坊さんは、犬がいても大丈夫ですよとおっしゃられてたし。


今月駄目だったら、来月は預けよう……とのことで、あえて犬は家に置いておくことにした。


今日来たお坊さんは若い人。
30代前半だろうか……前回の初老のお坊さんが来ると思っていただけに意外だった。


そしたらやっぱり犬が吠える吠える。大丈夫かいなと思ったが……


本当に不思議だった。


お経が始まると、ぴたりと犬二匹は鼻をクーン、クーンと鳴らすだけで吠えるのをやめた。


お坊さんのお経を静かに聞いていた。
まるでちゃんと全部理解しているかのように。


滞りなく月命日の読経は終了。


若いお坊さんと話してみると、なんと僕の大学の後輩だった。


不思議な縁もあるもんだ。これも息子が結んでくれた仏縁だろう。


聞けば、どこの犬がいる家庭も、お経が始まると吠えるのがぴたりと止まるそうだ。


ともあれ、今日は無事に済んでよかった。


家族の中になんとなく……だけど、徐々にいー君の死をみんな受け入れつつあるような気がしている。


娘も……嫁も……


彼女たちは彼女たちなりに、このつらい現実を呑み込み始めているんだろう。


娘の方は、これから中学生……大変な時期だ。
何としても、この子はちゃんとせめて成人は迎えてもらわないと。


僕も頑張らなくちゃね。


いー君、今日も素晴らしい人に引き合わせてくれてありがとう。


ずっと僕たちと歩いていこうね。



PVアクセスランキング にほんブログ村