いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

何かが足りない初めての年末

年末……


世間はめでたい新年に向けて、着々と準備を進めている。
どこへ行ってもお正月の雰囲気……希望に満ち溢れているように思える。
TV番組だってそうだ。
楽しい雰囲気、バラエティ……年忘れ。


まあ、仕方ないことだ。
自分だって去年の今頃気楽に番組見てゲラゲラ笑ってたんだから。


こんな苦しみを抱えた人が世間にいるとは考えもせずに……
そして来年の今頃、自分がそんな気持ちになって過ごしているなんて……


考えたこともなかった。


誰を恨むこともできない、このやるせない気持ち。


そして……何かが足りない。


何が足りないのかはちゃんと分かっている。でもその答えを口に出したくない。


こんなはずじゃなかったのに。


ずっと、いつまでも当たり前に家族四人で過ごしていけると思ったのに。


子供が2人とも結婚したら、2人になってさびしくなっちゃうね、なんて嫁と話していたのに。


結婚してないよ。


結婚してないけど一人減っちゃった。


息子と付き合った女の子は、落ち込んでいる、眠れない、泣きつかれた……なんて言いつつ、もういまじゃ気楽になんていうんだあれ、ツイキャスっていうのか。
ラジオのDJ気分で、知らない男のこと楽しくぺちゃくちゃおしゃべり。


複雑だよ、正直……


その子のために、愛の証を立てるために、お前は死ぬ必要があったの?


だって、その子はいつかどっかの男と一緒になっちゃうんだよ。


いや……


やめよう。もう何を言ったって息子は帰ってこない。


僕が頼りないばっかりに……お前は視野狭窄になって、追い詰められてしまってたんだよね。


お父さんのせいじゃありませんよ。
あなたは悪くありませんよ。


みんなそういうけど……やっぱり違うよ。
家族を守り切れなかった僕が……無力すぎたんだ。


ごめんね。
本当にごめんね。


何かが足りない我が家……
君が足りない我が家……


もう……時間は巻き戻せないんだよね。


ごめんね。


本当にごめんね。


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