いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

なかった僕たちの名前

昨日は、息子の学校に退学届の提出と、彼の遺品をとりに行った。


さすが全国的にもトップクラスの有名な学校だ。はじめてきた学校が、皮肉にも息子の遺品回収とは……


いい学校に通ってたと思う。
本当に息子は幸せ者だったと思うんだ。


学校の担任の先生に出会う。
本当にやさしい男性の若い先生だ。息子が最後まで慕っていた……ちゃんとなんで先生に相談しなかったんだよ。


そして退学届……人生で初めてだよ、こんなの書くの。
嫁は泣き崩れている。当然だろう。僕の胸の中にもいろいろこみあげてくる。
ため息しか出てこない……


息子の教室へ……いい環境で通ってたんだよな、こいつも。
遺品の回収を終えた。


帰りの車内で、息子の残した教材をみる。


尊敬する人・大事な人を書き込むページがあった。


大事な人、大切な人、信頼できる人……


すべて彼女の名前だった。


僕たちの名前は全く存在していなかった。まるで彼の心の中に、一片たりとも僕たちが住んでいないかのように……


こんなもんか……


大切に育てて、これかよ。


そりゃ遺書も、最後にちょろっと父・母へって書いて終わるよな。


そりゃ相談もしてくれないわな。


僕たちは結局彼から信用してもらえなかったのかもしれない。


さて、これからの人生、やっぱりいろんな辛いものを背負っていきそうだ。


まあ、こんなもんなんだろう。


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