守らなきゃ……
今日も幻聴がひどくて寝たきりだったけど、なんとか気力を振り絞って起きる。
ないだろうな、と思っていた障害年金の申請が昨日通ったと通知が来て、年金証書が届いた。
もう少し早かったらなぁ……
いろんな悪いことが起こらなかったのかもしれない。
昨日は、嫁が泣いていた。
まだみんな、いろいろと思いだすんだ……仕方がないだろう。
ふと、何の気なしにカーテンの模様とか、食器とか……今日は、いろいろと目が行った。
いつも当たり前に存在していたもの……
その模様や食器の数……みんな嫁がチョイスしたものだ。
一つ一つのものが、みんな楽しい家庭を作ろう……幸せな家庭を作ろう……
そう願って買いそろえたものなんだろう。
みんな幸せになると思っていたのに……
子供たちが元気に巣立っていくと思っていたのに……
一番つらいのは僕じゃない……嫁なのかもしれない。
20歳で子供を産んで……
巷の女の子が自由を満喫していた中、自分の青春と引き換えに育ててきたいー君……
彼女の心にぽっかりと空いた虚無感は、きっと僕以上のものなのかもしれない。
障害者で寝たきりの僕……
そんなハンデも跳ね返して、笑顔で頑張っている嫁。
僕は、ぼくのできることをやらなきゃな……
寝込んでばかりはいられないんだ。
頑張って動こう。
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