いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

動き始めた血で錆びた時間の歯車

今日から、『あの日』を最後にしていた障害者職業訓練センターへ。


あの日……11月20日。
僕は復職を前に、意気揚々と京都駅前の職安の上にある職業センターでの作業を終え帰ってきたんだ。


なぜか、いー君の部屋の扉に挟まれた、いー君のスポーツバッグ。
僕はそれを見ても何の違和感もなく、作業で疲れていたので仮眠をとっていた。
まさか扉一枚向こうで、いー君が首をつっていたことを知らずに。


今日、センターで渡された日誌は、11月20日を最後に更新が止まっていた。


11月20日……すべての運命の歯車が、鮮血とともに止まった日。


あの日から、ぼくの心の時間の歯車は、ずっと止まったままのような気がしていた。


思えば2ヵ月半……


おそらくは、人生最大の悲嘆のくれた時間。


それがまた、きしみを立てて歯車が動き始めた。


もう……
僕の目指す復職の先には、いー君の姿がない。


だれのために……何のために立ち上がるんだ、僕は。


わかっている。妻と娘のため……
でも……それだけじゃ……それだけじゃ寂しすぎるよ。


僕が歩き始めた道の先には……


もういないんだよ、大切ないー君は。