動き始めた血で錆びた時間の歯車
今日から、『あの日』を最後にしていた障害者職業訓練センターへ。
あの日……11月20日。
僕は復職を前に、意気揚々と京都駅前の職安の上にある職業センターでの作業を終え帰ってきたんだ。
なぜか、いー君の部屋の扉に挟まれた、いー君のスポーツバッグ。
僕はそれを見ても何の違和感もなく、作業で疲れていたので仮眠をとっていた。
まさか扉一枚向こうで、いー君が首をつっていたことを知らずに。
今日、センターで渡された日誌は、11月20日を最後に更新が止まっていた。
11月20日……すべての運命の歯車が、鮮血とともに止まった日。
あの日から、ぼくの心の時間の歯車は、ずっと止まったままのような気がしていた。
思えば2ヵ月半……
おそらくは、人生最大の悲嘆のくれた時間。
それがまた、きしみを立てて歯車が動き始めた。
もう……
僕の目指す復職の先には、いー君の姿がない。
だれのために……何のために立ち上がるんだ、僕は。
わかっている。妻と娘のため……
でも……それだけじゃ……それだけじゃ寂しすぎるよ。
僕が歩き始めた道の先には……
もういないんだよ、大切ないー君は。
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