いー君の遺した『2943』~パスワードの意味~
いー君は、本当にほとんどの情報を残さずに逝ってしまった。
彼が亡くなった時、警察からいー君のスマホのパスワードをご存じありませんか?と聞かれた。
誕生日?
高校の学籍番号?
いろんな数字を試したけど駄目……
結局パスワードが判明したのは、彼女からの電話によるものだった。
【2943】……?
……………………?
なんだそりゃ。
まあ、何の関連のある数字なのかはさっぱりわからない。
とりあえず忘れないようにメモをとった。
そして18時……
いまでもいつもこの時間に、いー君のスマホが鳴る。
アラーム機能を停止させれば済む話なんだけど、なんかこうやってたら、ずっといー君のことを忘れずに済み気がするんだ。
いつものように、いー君のパスワード2943を入力し……今日初めて気づいたんだ。
2……9……4……3……
に……く……し……み……
正直背筋がぞっとした。なんだよ、憎しみって。
他に読み方は……色々考えた。
……………………!
そうか、いー君亡くなる直前まで、彼女とパズドラやってたんだよ。
つ……く……よ……み……
ツクヨミだ!
あんまり知らないけど、なんかレアなカードらしく、ツクヨミがどうだこうだと……そんな話をしてたのを聞いたことがある。
でも、皮肉だよな……
2943って、ツクヨミとも読めるけど、憎しみとも読めるんだよね。
そういうことか……いー君が亡くなって2カ月……初めて彼のパスワードの意味がわかった。
今日は、いー君の月命日だったんだよ。
いー君の遺したパスワードの意味が、月命日に解けた。
よし、パパもうこの覚えにくいパスワード忘れないよ。
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