いー君、プラネタリウムを見に行こう!
今日は、ある大学の助教授さんの研究のお手伝いで大阪に出る。
自死遺族の心理的な研究をされている僧侶の先生だ。
僕も何か役に立てるならば、と手を挙げた。
せっかく大阪に出るんだから……昔いー君といった、大阪市立科学館に行こうと思う。
そこで昔いー君とみた、プラネタリウムを見に行こうと思うんだ。
幸い、僕は手帳持ちの障害者だから、観覧は無料なんだ。
できれば生きていてくれた状態でもう一度見に行きたかったけど、こればっかりは仕方ないよね。
いー君は、科学館とか博物館が好きな男の子だった。
いつも連れて行ったら、目を輝かせて展示物を見てくれたんだよね。
僕たちがあの時過ごした時間は、決して無駄じゃなかったと信じたいんだ。
確かに……生きて大人になって、得た知識を有効に活用して頑張ってほしかったんだけど……
無駄じゃない。無駄じゃないよ……あの時いー君は確かに遠くに夢を見据えていてくれた。
プラネタリウムを見上げていた君は、確かにそこにいたんだ。
……宇宙とか、興味持って学研の本とかいっぱい買ってあげたよね。
いろんな星や自然現象を覚えて、パパやママに教えてくれたよね。
そう……世界は大きすぎる。
僕たちの一生の長短なんか、ちっぽけなものかもしれない。
長い歴史の中で、僕たちの生死の後先なんて、ほんの誤差でしかないかもしれないね。
いー君。
今日はまたプラネタリウムを見に行こうね。
いっぱい昔を思い出そう。
僕の心の中で、いっぱいまた眼を輝かせてね。
さて……少しだけ眠るとするか。
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