いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

僕は誇りだったのか、恥だったのか?

息子が亡くなった時、何人かの息子の友達や生前に付き合いしてくれていた若い子から、メッセージをもらった。


それが、なぜ僕のところに……なのだ。


ツイッターのアカウントにしろ、pixivのアカウントにしろ、僕はこの眉丈千羽ではない、もう一つの活動名をもっている。
その名前を検索してくれて、わざわざメッセージしてくれたのだ。


どうして分かったんだ、とお聞きすると、息子が生前このもう一つの活動名を、これが僕のお父さんだと何人かの人には打ち明けていたらしい。


僕のネットでの真の姿……っていうのは、この眉丈千羽ではなく、すごくニッチなジャンルに身を置いている18禁創作者の人だったりする。
このブログを見てくださる何割かの方は、僕の正体を知った上でお付き合いくださっている。
知らない方は、まあ知らない方がいいと思う……そんな胸張れる活動でもないから。


かれこれもう9年目かな、こういう活動して。
僕の作品を毎日見に来てくれるファンの人たちがついて、僕の作品をもとに2次創作をしてくれる若い人が何人も出てきて。
僕がこの世の中からいなくなっても、僕のまいた種を育ててくれる人たちが出てきた。
本当にありがたいことだと感謝している。


……でも、息子としてそんな親の僕を見たとき、彼はどう思っていたんだろう。


他人に話すってことは、ちょっとは誇りに思ってくれてたのかな。
身内の恥だったとしたら、絶対に他人になんか話さないだろうし。


彼が生前僕の活動をチェックしてたなんて、思ってもいなかった。
複雑だったろうな、ほぼ毎日新しい作品が更新されて……おやじは隣の自室で毎日何やってるんだ、って。


挿絵やアダルトなストーリー描いてる暇があったら、もっと自分の方を向いてくれ……
そんな感じだったのかもしれない。
隣から夜中必殺技叫んだり……ネット声優なんて下らねえことことやってる暇があったら、ちゃんと家族と向き合ってくれ……そんなこと思ってたのかもしれない。


でも、僕は彼にいつか伝えたかったんだ。


創作の楽しさを……それを通じてたくさんの人とつながることができる喜びを。


彼のいなくなった部屋には、彼の描いた上手なイラストが残されている。
こんなに上手に描けるのに……死んじゃったらもう描けないでしょうが。


僕の本当の活動名は……
皮肉にも、世界で一番残酷な名前になってしまった。
もしかしたら……いや、もしかしなくても、この名前が息子を傷つけていたかもしれない。


でも、僕はこの名前を守り続けていく。
それが、僕と息子の間に残された、この世での唯一の絆なんだ。


いー君……
パパね。やっぱり今の活動ずっと続けていくよ。


もう決してスターになんかなれはしない。なろうとも思わない。


泥まみれで本当に好きなことに打ち込む……プロ野球の万年2軍選手のように。
僕は地道にこの活動を続けていこうと思うんだ。


君が誇りに思っていたか、苦痛に思っていたか……それは僕が君の所に行ってから聞くことにしよう。



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