当たり前に回り出す日常
みんなきっと心の底では、まだあきらめ切れていない。
妻も娘も……
でも、いー君がいない生活が当たり前のこととして流れ始めている。
今日は僕が留守番、妻と娘はボーリング。
僕はボウリング100点出せないボーイだから、やらない。
でもいー君は、ちょうど去年の今頃、ボーリングに行ってたんだよね。
家にだれもいなくなると、僕は仏壇で線香を燃やす。
仏壇……
そんなもの、家に置くなんて考えもしなかったな。
そんなことを考えながら、午前の時間を仏壇の前で過ごす。
妻と娘が帰ってきた。
みんな思い思いに、お盆休みの時間を過ごす。
そうだよな……
泣いていたって、子供はもう帰ってこない。
いー君のいない生活……そんなものが当たり前になるなんて許せないんだ。
許せないけど、時間は淡々と流れていく。
今日は自死遺族会だったけど、僕は今日はあえて行かなかった。
僕は……新しい家族構成の日常を歩きだそうとしているんだろうか。
認めない。認められないよ。
でも、当たり前の日常は……今日も淡々と流れて行った。
認めちゃダメだ、認めちゃ。
僕の心の奥で、本当の僕が必死にわめいている。
どうしたらいいのか分からないよ。
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