ちょうどこの時期に……３年ほど前だったかな。
いー君と関西圏と敦賀の電車に乗り放題の『冬の関西１ＤＡＹパスポート』を遣って、雪を見るため電車で２人で旅をしたことがある。

ちょうど今日みたいに、爆弾低気圧が来て雪が吹雪いているときだった。

雪を確実に見たかったし、ちょうど土曜日だったから２人で出かけることにしたんだ。

朝一番に高野山に行って……急こう配のケーブルカーに乗って山頂へ。

初めて乗る乗り物に、いー君は目を輝かせていたっけ。
いー君に子供ができたら、こうやって電車で連れてきてあげなよ……そういった記憶がある。
まさかいー君が先にいなくなっちゃうなんて、当然のことながらあの時は想像すらしていなかったからね。
うっすらと雪が残る中、いー君と高野山散策もそこそこに、そのまま一気に敦賀へと突貫。

敦賀の町は、さすがに低気圧まっただ中だけあって、横殴りに雪が吹雪いていた。

その中をいー君と歩きながら、敦賀気比神宮へ、半分初詣みたいなもの。

ずっとこのまま家族がいられますように、いー君が立派な大人になりますように……ってお参りしたんだけど、どうやら聞いてくれなかったみたいだ。

いー君といろんなことを話したなぁ……
２人で出かけることなんかあんまりなかったから。

いろんな思い出をありがとう、いー君。

敦賀の町は吹雪で寒かったよね。
また君の遺骨ペンダントとともに、今度歩きに行くよ。また一緒に行こうね。

こうやって君との思い出も、ここに刻んでいこう。