今庄365スキー場~雪を見に行こう~
僕たちは、この季節になると、いつも福井へと車を走らせていた。
子供たちに雪を見せてやりたくて、スキーもしないのにソリをもって今庄365スキー場へいつも雪を見に来ていたんだ。
いー君は小さいころから雪遊びが大好きだったんだ。
いろんなことをやったなぁ。
併設の温泉入ったり……敦賀で買い物したり。道の駅河野で雪合戦したり。
いつもいー君はは事件ばかりの笑顔で、僕のわがままに付き合って満身の笑みを浮かべてくれたっけ。
やさしい子だった。
本当に無邪気で優しい子だった。
パパはね……
お前に何度も言ったよね。
お前に子供ができたら、子供をこうやって連れてきてやってくれ、って。
アホたれが。
死んだら子供もへったくれもないじゃないか。
終わると思ってなかったんだ……家族という当り前で平凡な日常が。
もっともっと……たくさんたくさん遊びたかったね、いー君。
大きく成長する必要はなかったんだよ。ずっとちいちゃい子供でいてくれたら……
恋なんかすることもなかった。恋に悩んで死ぬことなんかなかった。
いー君……聞こえるかい?
パパ、お前が大きくなって、パパになるとこみてみたかったんだよ。
なんで死んじゃうかなぁ……
でもね、また一緒に行こうね。
僕が連れて行ってあげる。雪を見せてあげる……
君はもう、白銀の大地に足跡を付けることはできないけど……
ずっと……
ずっと一緒にいようね。
雪を見て無邪気にはしゃいでくれたらいいから……
雪が降ったら、車を走らせよう……またあのスキー場に。
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。