家族という名の壊れて止まった時計
娘の不登校は続いている。
正直手の打ちようがない、厳しくすれば何かあったら困るし。
さりとて、このまま堕落して思い詰めればやはり……
夫婦ともども正直手が出せない。
でも、この小さな女の子の心をえぐった大きな爪痕を考えると……
自分も思春期に大好きなお兄ちゃんを失えば……たぶん正気でいられないと思う。
笑いの絶えない家庭。
ごく当たり前の一般的な家庭……
あの日を境に、僕たちの家族という名の時計は止まってしまった。
もう、誰にも動かせない。
もう、誰にも修理できない。
でも、このままでいいのかもしれない。
どんな形でもいい。
生きてくれさえすればいい。
命を絶たずに、どんな形でもいいから、いてくれるだけでいいのかもしれない。
今日も家族という名の時計は、動くことなく時を刻むこともない。
たぶん僕らが気づいてないけど、どんどん錆び始めているのかもしれない。
時計はどんどんと腐食していく。
あの時の幸せを……時の刻み方を忘れたまま。
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