今日ツイッターに……彼女なりの考えなんだろうけど、息子が彼女に向けた最後のメールを公開していた。

辛かった。
涙が出た。

頑張ろう。

運命を切り開こう……そう考えたこともある。

でも、もういろいろ疲れている。

頑張ったって、息子は帰ってこない。

一生懸命生きたって、息子は帰ってこない。

物語を始めようと思ったのが、そもそもの間違いだったんだよね。

年金もらうような重度の障害者が……人並みの幸せを求めたことから不幸は始まった。

そりゃ、チャリティー番組でやってるよね。

障害者の人が頑張ったね。夢がかなったね、感動だね。

でもね、それはほんのごく一握りの人。

全ての人が幸せになれるはずなんかない。普通の人でもそうなのに。

僕が人を愛するなんて物語を始めなければ、何も生まれなかった。

こんな悲しい物語なんか生まれなかった。

生きれば生きるほど、周りの人に迷惑をかけて行く。

生きれば生きるほど、悲しい物語を生みだしていく。

何度も何度も死ぬことに失敗して、みじめに地を這う僕。

たった一度で、綺麗に決めて旅立った、僕が遺伝子のバトンを渡した人。

わからない。

そんなに思い切り一線を超えられる方法が分からない。

道を探している。

妻を苦しめずに、悲しませずに、自分が消える方法を。

悪魔に魂を売ったっていい。全ての人への裏切り者になってもいい。

僕はその道を探している。

なぜ貧富の差があるんだろう。なぜ能力の差があるんだろう。

なぜ……障害を持って産まれてくる人がいるんだろう。

僕がなにも始めなければ……何も始まることは無かったんだ。

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