一周忌を前にして
いよいよ来週が一周忌だ。
あの悪夢からもう一年になる。
人間残酷なもんで、あれだけの慟哭と苦悶の出来ごとが、1年たてばある程度は冷静に受け止められるようになっている。
家族もまた、日常を取り戻している。
明らかに一人欠けているのに……みんなまるで何事もなかったかのように。
あの時あれだけ泣き叫んだんじゃないのか。
あの時すべてを失った喪失感で、茫然としていたんじゃないのか。
なんでいま、冷静に居られるんだ?
人間は忘れる生き物だという。
忘れて前に進む生き物だという。
でも、それでいいの?
そんな簡単に日常を取り戻してしまってもいいの?
納得行かぬまま、もう一週間先が一周忌になろうとしている。
僕らの日常は流れ続ける。
まるで何も起こらなかったかのように。
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