いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

両手を広げて、笑顔で

ちょっと最近、こういう考えを持つようになった。


息子とこういう形で別れた……それはとても悲しいこと。


でも、そのことによって……


自分が死ぬことが怖くなくなった。向こうで子供が待っててくれるから。


妻と死別れることが怖くなくなった。向こうで子供が迎えてくれるから。


飼ってるワンコ達が死ぬのが怖くなくなった。向こうで子供が迎えてくれるから。


そうなんだ……


向こうで息子が待っててくれるんだ。


最後の瞬間は、とっても苦しいかもしれない。


病気で血を吐いて、もがき苦しんで……


でも、息子の笑顔を想うと、少しは和らぐのかもしれない。


息子が逝ったこと……この事実は変えられない。


そして妻と僕の必ずどちらかが先に逝くこと……この事実も変えられない。


でも、そんなときは、笑顔で『行ってらっしゃい、息子によろしくね』って言える。


『行ってきます、先に息子と待ってるよ』って、妻に笑顔で別れることができる。


息子が待っててくれるんだ。笑顔で、両手を広げて。


いつ死んでもいい。


色んな意味で、いつ死んでもいい。


明日だってかまわない。50年後だってかまわない。


息子が待っててくれる……それも変わらない事実。


急がなくていい。生き急がなくていい。


のんびり、ゆっくり……歩いて行こう。


でも、願わくば……


次は、妻でもワンコ達でもない……


もう僕は大切な存在と別れるのは嫌だから。


次に逝くのは、僕でありたい。


もし、終焉と言う切符が手に入るのならば。


その切符はだれにも渡さない。僕が使うんだ。


怖れることはない、両手を広げる息子のもとへ旅立ちたい。


明日でもいい、5年後でもいい。


終焉という名の切符は僕が使う。妻にもワンコにも、もちろん娘にも使わせない。


『行ってきます』って、笑顔でみんなに手を振るんだ。


息子のところへ向かう列車に、僕は歌いながら乗り込もう。



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