4つのどんぶり
昨日は嫁の帰りが遅かったこともあり、インスタントのカレーうどんにしようということになった。
まあ、味は調整されたものだから悪くない。
でもなんかもの足りない。
ご飯もたいてないし、何か冷凍食品はないかな……と冷蔵庫をあさる。
ふと、視線が食器棚に目が行った。
家族分買った、緑のどんぶり。
3つはリビングの机の上。
そして一つは、寂しく食器棚に居残り。
そう、いー君の分のどんぶりの出番がないのだ。
去年の今頃は、どんぶりたちも全員出動。
でも……
食器棚の奥のどんぶりは、あの日から出動機会なしの待機状態。
そう、これからもずっと……一人ぼっちで、待機状態。
ご主人様がいないんだよね。
どんぶりはどことなくさびしそうに見えた。
ごめんね、君の事に気が回らなくて。
さっきどんぶりの配置を、食器棚をかきまわして変えておいた。
万年補欠だったどんぶり君を、次は必ず使われるように、食器棚の前面へ。
他にも、ご主人様を失った食器たちが、沢山眠ってるんだよね。
食器棚に独りぼっちにならないように、ローテーションで使ってあげなきゃね。
そう……
去年の今頃はフル回転してたんだよね。
あと3カ月で、いー君がいなくなって1年。
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