並行世界の君におめでとうと花束を
珍しく熱が出て寝込んでいる。
熱でうなされて眠っている間、ちょっとした夢を見た。
見たこともないチャペルでの結婚式の光景……
そこにいた新郎は、まぎれもなくウチの息子だった。
可愛いお嫁さんと一緒に、教会から出てきてみんなに祝福されていた。
とても幸せそうな2人の笑顔……
周りの祝福の中、僕だけが何とも言えない表情でその光景を見ていた気がする。
見れるはずだった景色、見れるはずだった光景……
どこか虚無感が僕を包み込んで、すぐにこれは夢なんだと分かった。
いや……
違う……
これはパラレルワールドのどこかで起こっている、本当の出来ごとなんだろう。
いー君が死を選ばなかった世界。どこかにある本当の世界……
その出来事を僕は見たんだろうな。
良かった……この世界じゃ悲しい結果だったけど……
どこかの世界ではきちんと君は頑張ってまだ生きていてくれるんだ。
生きて幸せを掴んでくれたんだ……
僕はその世界の住人にはなれなかったけど。その世界があるのを知れただけでも……
君の晴れ舞台に立ち会うことが出来て、本当に良かったと思う。
でも……
でも……
見たかったな、この世界で。君の晴れ舞台を。
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