いー君といっしょ

2015年11月20日……
最愛の17歳の息子を自死で失いました。
悲しみの記録と、彼の歩んだ道、そしてこれから残された家族三人の日々を記します。

蒼き抜け殻

僕の寝室は荒れたままだ。


あの時から時間が止まっている。


何せ急な葬式だったから、家の雑多なモノは葬式の時に寝室に全部押し込んだ。


そして、部屋の中には……


まだいー君が中学校の時に来ていた、青いジャージの上下がそのままになっている。


そろそろ手をつけなくちゃとは思ってる。


手をつける……なぁ。


どうしよう。


いー君の部屋に畳んで置いておこうか。


つい最近まで……


この衣服は躍動していたいー君とともにあったものだ。


そしていまは……主を失ったまま、寂しそうに静かにたたずんでいる。


ご主人さまを失った青い抜け殻。


お風呂場にはいー君の下着とバスタオル。


玄関の下駄箱には主を失った、いー君の沢山の靴。


沢山の抜け殻たちが、ご主人様においていかれて寂しそう。


お浄土でいー君、どんな服を着ているのかな。


暑くなってきたね。


君が行ったのは、秋が深まった11月だったけど……ちゃんと夏服はあるのかい。


抜け殻たちがさびしがっている。


取りにおいで……待っているから。


そして……


もう一度だけでいいんだ。


力いっぱい抱きしめさせてほしい。


僕の部屋で……蒼い抜け殻が、君を待っているから。